秀吉に電話して気付いた私は、秀吉に頼んで一緒にショッピングに来ていた。
「まさか一つも女性ものがないとはなあ…」 「そうじゃのう、で何故わしは女装を?」
友達がいないからとか絶対言えない。本当言えない。周りからきゃあきゃあされてるだけだから一線置かれてるとか言えない。
「…に、似合ってるぞ?」 「嬉しくないわい…」
しゅんとする秀吉。本当可愛い。ここにムッツリがいれ…ん?パシャリ、と聞き慣れた音。まさか、…。
「ムッツリーニ!何故ここに!」 「…………企業秘密。隣にいるのは誰だ?誰かに似ているような……」 「気のせいですよ?初めまして」
内心ばくばくしながら笑みを浮かべる。ばれなければいいな。
「………そう、」 「あ、ムッツリーニ、こやつに似合う服選び手伝ってくれんか?」 「……どうして」 「わしセンスないからのう」
確かにムッツリはセンスがいい。まあ私服も格好いいが、個人的に秀吉の女装や制服姿がいいが。
「……でも、」 「秀吉くんも一緒でいい?初めて会う人と回るの怖くって」
声を震わせ、私を演じる。秀吉くん、とか自分で言っていて寒気がする。
「そうじゃのう、なら行くかの」 「………わかった」
秀吉とムッツリ、二人とともに店を回る。一応母親に言って、6万ほど貰ったので少しは買えるだろう。
「………いくらある」 「6万程度、かな」 「微妙じゃの」 「……」 「すまぬ」
じろり、と一喝しカジュアル系統の服を選ぶ。
「……これと、これ」 「あれ、サイズ言いましたっけ?」 「………多分あってる」
服の上からでもサイズわかるのかよ…恐ろしい…。最近太ったというのに…。 ちなみに服は胸以外ぴったりだった。さすがに胸まではわからないだろうな…ないし…。下手すれば美波よりない。むしろえぐれてるだろう…。 質より量、ということで、割と購入しムッツリと別れた。どうせ来週の月曜に会うけど、またいつか、と言っておいた。転校生的な立ち位置だからな。召喚獣も…、あ、一応坂本には伝えたほうがいいんだろうか…。考えながら帰っていた私は秀吉に礼を言うのを忘れていて、後程電話をかけお礼をしたのは言うまでもない。
111028
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