相手、いや、変人といったほうが正しいだろうか。
あいつは俺の制服に手を掛け、ボタンを1つ1つ外していく。
上着だけならまだましだ。ワイシャツは確実に守らなければ…。

「お前、体つきそこまで男っぽくねぇな」
「んー!(そりゃそうだ!)」
「何言ってるか聞こえねぇよ」

相手は下品な笑いをしながらワイシャツに手を掛けた。

「ん!んー!(やめろ!)」
「へへ…、これが俺の……」

だんだん近づいてくる相手。俺は恐ろしくなって、相手の頭に頭突きした。いや首は自由だったから。つい。

「……いって…」
「んんっ!(ざまぁ!)」

手足のほうと口はさすがあれだが、首が使えるなら問題はない。俺の頭は石頭だ。(某青タヌキと同じくらいの)

「もいっかい食らわせてやらぁ…!」

にやり、と不敵に笑う相手は手に例のものを。(スタンガンらしきものだとは思うが実際わからない)

「名前、名前どこじゃー」
「な、秀吉さんが来ただと」

何故秀吉にさん付けだ、お前ら。まあ演技は上手いが、秀吉ちゃんだろうがあほか。

「んー!」
「お、名前の声じゃ、ここ、かの?かくれんぼでもしてたのかの?」

なわけねぇだろ。

「んー!(早く来い)」

からりと扉が開き、光が目に入った。

「ん?どうして口にガムテープ…?」

周りを見渡すと手にスタンガンを持った変人。
そして手足の自由と口(喋れない的な意味で)を奪われた俺。

「お主、じゃな」
「ち、違いますよ!」
「なら本人に聞いてみるかのう」

緩やかに笑っているが、凄く、怒ってる演技してる…!
何その要らない技術。
ベリッと口元のガムテープを剥がされ、息を大きく吸った。

「(規制)、(規制)、じゃねぇっつの!こんの(規制)野郎が!」

はぁ、と大きく深呼吸し俺は秀吉に手足の縄を緩めてくれる用に頼んだ。
そして、大きく息をすい、多分いるであろう先生の名を呼んだ。

「西村せんせぇー!」

「!?」

相手は驚いた顔をし、逃げようとしたが、さすが鉄人。10秒足らずで来た。(多分近くに吉井とかが居て追っかけ回していたんだろうが)

「どういう状況だ」
「こんな状況だ」

手足の縄を秀吉に解かれてる俺と、スタンガンを持っている相手。そして口元には少しテープの後。
どちらが有利かと聞かれれば勿論俺のほうだ。

「…で、どうしろと?」
「相手に真意を聞きたいのですが、多分俺には教えてくれないので問いただして欲しいです」

慣れない敬語を使いつつ、西村先生にお願いした。先生は、俺が敬語を使う=ただことじゃないと思ったのか、相手を引きずり出し、補習室、ならびに生徒指導室へと連行していった。



111002
主の規制発言は、前々から思っていたことを駄々漏れです
ちょっと女としてどうかと思い規制とさせてもらいました

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