「な、姉上…どうしてここに!」
びくり、と体を震わせワシは姉上に話しかけた。
「(名字さんに許可もらったからついて来い)、みなさんすみません、ちょっと秀吉借りていきますね」
他人行儀な笑顔(それだけはいつも完璧)を浮かべ、姉上はワシをずるずると更衣室(多分)に引っ張っていった。
「姉、上?」 「協力しなさい」 「またかの…」
そういって、姉上はワシに女物の制服を手渡した。(代わりに姉上には男物を)
「姉上、また…」 「それ以上言ったら…」 「すまぬ!すまぬからその手を下ろして欲しいのじゃ!」
わかればよろしい、と姉上は呟き更衣室から連れ出された。
「今日はどこへ行くの?」 「体育館のほう」
さすがに姉に変装しているので、姉っぽさを出さねばならない。それを出しつつ、姉に問いたら普通に返ってきて驚いた。
「今回何を了承したの?」 「……、」 「…?」 「新入生用の奴…じゃ」
人が来たからか姉はワシっぽさを少し付け加え、一緒に歩く。変な、目線。 ちらりと後ろを振り返ると、さっきワシ達…いや私達の隣を通り過ぎた相手は私達のことをじっと遠目から見つめていた。
111002 演技中のときの一任称ころころ変わってすみません。 個人的にそうしたほうが演技に入りそうなので変えました。 |