俺に限ってそんなことないって思ってた。…ありえねぇよ。
俺は演劇部に所属していて、男役をやっている一応女、だ。女役は出来なくてパスしてたら口調も格好もこうなってた。格好とはいっても、ただの男っぽい洋服に身長が普通の男より高いってだけ。まあ、俺としては、嬉しいことなんだが。気付けば俺のファンクラブやらなんやら出来てて嬉しい限りだ。女の子は可愛いからな。羨ましい。

「おい、秀吉」
「なんじゃ?」
「…なんでお前、女子の制服きねぇんだよ…ちくしょう」

ついでに俺は学園長に談判して、男用の制服を許可された。…女の制服を着たら気持ち悪いってほとんどの奴がいうしな。
ついでに今話しているのは、この学園で期待の新人ホープ(女役)の木下秀吉。こいつは女役でも男役でも出来るが、女役似合いすぎて恐ろしい。

「知らぬよ。むしろ、わしはお主が何故男子制服を着ているのが甚だ疑問なんじゃが」
「許可貰ったからに決まってんだろ、ばか秀」

いつもの言い争い。まあ、楽しい。

「そいや、女装したんだって?あいつから写真貰ったけどあいつの技術すげぇよな…」
「…あいつ…?ってなんで女装したって知って…!」
「ああ、ムッツリだよ、ムッツリ。むしろ土屋かな」

そう俺がいうと、落胆しだす秀吉。まあ馬鹿ばっかりだもんな、秀吉のクラスは。


この学園では、2年になると学力別(テストやらされて)にクラスが分かれる、と同時に召喚獣をなんとか、だった。いや、聞いてるが面倒だから基本外野。まあ俺のクラスはE。テストをうたた寝しながら解いてた罰だろ。まあ、実際中の上だが、ちゃんとやると疲れるから、点数はいつも平均より下を取るようにしてる。それを秀吉に言ったら怒られた。その秀吉は、F。所謂馬鹿の集まり。まあ、美波とかいるし、アキちゃんとかいるし面白いクラスだよな。で、まあそのクラスで土屋康太っつーのがいて、俺はよくムッツリか土屋って呼ぶが他のやつは愛称(ムッツリーニ)って呼んでいたはず。あいつの写真の腕はおかしい。一応交渉して、アキちゃんと秀吉の奴は横流ししてもらってる。代わりに写真に撮られてるが。

本当、面白い。
ああ、いいな、Fクラスは。


「名前始めるぞ」
「はいよ」

俺、は演技へとシフトしていった。




110922


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テーマ「人外ファンタジー」
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