約、4日経った。
御墓参りもしたし、親戚にも挨拶をした。学園の友達にもお土産を買った。何をしようかな、と私は考えていた。

「名前、暇なら一緒にどっかいかへん?」
「…廉造。何処に行くの?」

少し悩んだ顔をした廉造は、私の手を引っ張った。

「廉造!」
「名前とどっか行ってくるわー」

廉造は私を引っ張ったまま、私の両親と彼の両親へ伝えた。
私は彼のなすがままに引っ張られ、近くにある甘味所へ連れてかれた。

「…懐かしい、」
「やろ?名前ここの甘いもん好きやったろ」

過去の私はいつもおやつといったらここ!というほどここの甘味所が好きだった。
昔と同じものを頼み、廉造を見る。ピンク頭になったけど、中身は変わって、ないのかな…。

「名前、」

彼はあの私の初めてを奪ったような雰囲気で私の名前を呼んだ。

「何?」
「味、変わってないとええな」
「そうだね」

少し、期待してたんだ。廉造は変わってないからこそ、何か期待してたんだ。
私達は、昔のままなんだ。

「廉造、覚えてる?」

私は昔のことを問い掛けた。あの手紙のことも。なんであんなのを書いたのか知りたかった。

「覚えてとるよ。あの手紙は恥ずかしかったわ…」
「まだとってあるよ」

そう微笑むと少し慌てた彼。

「な、捨ててや!あの手紙、本当のこと書けへんかったし…」
「本当のこと?」

問い掛けて、彼が口を開いて解答するのを待ったら、タイミングがいいんだか悪いんだか、おばさんが甘味を持って来てくれた。廉造は少しほっとした顔をして、私にまた後でな、と答え甘味を食べ始めた。私も彼につれて食べはじめる。昔と変わっていなかった。

「おいしかったなぁ」
「そうだね」

時間は余っている。

「廉造、いつ帰る予定なの?」
「あと2日くらいはここにいて、3日目に帰ろかなおもっとる」

「なら、私と一緒だ。一緒に帰ろう。どうせ帰る場所は一緒どしょ」

私は彼に微笑みながらそういうと、彼は少し顔を背けてしまった。

「廉造?調子悪いの?」
「悪うないで、ただな」
「ただ?」
「なんでもないわ」

はぐらかして教えてくれなかった。

あと、3日。
その間に、何かしら聞いておくべきだと私は思っていた。

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