「やっぱり君は俺が思っていた以上のようだよ!面白い、面白いなあ」
「私面白みのかけらもありませんよ」

そうやって返答するとまた笑いが深くなった。

「いやだって、普通は襲ってくださいとか言わないだろう。ほとんど初対面で、だよ」
「それで、それが理由ですか」

くだらない、そう思って溜息をつく。別に折原さんに対して好意なんてこれっぽっちも持ち合わせてない。でも、多分やらないことは目に見えている。
この人は臆病者だから。
絶対に、そんなことしないって私にはわかっている。

「そうだよ、だって…―」

姦しい口を口で塞いだ。うるさい。女の人みたいだ。まあ女顔か。

「…っ!な、何するのかな名前ちゃん」
「黙って欲しくて。私頭痛くて眠いんです。寝かせてください」

ごみ箱やらなんやら投げちゃいけないものが当たるとさすがに、つらい。精神的に。まあ肉体的には大丈夫なはずだけど。

「……」

塞いだら黙ってしまった。
好都合だけど、なんか、変な人。






110921


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