何者と問うたら、彼はきょとんという顔を見せた。
そして、いきなり笑い始めた。

「アハハハハハハハ!!」
「なんで、笑うのですか…?」

失礼な人だ。全く。
答えてくれたっていいだろうに。

「あぁ、そっか。君は噂でしか知らない人だったっけ?
俺の名前は折原臨也。新宿のほうで情報屋をやっててさ…」
「すごくどうでもいいので家に帰ってもいいですか?」

ここからならすぐ家に帰れる。

「…親がいないのに、どうやって家に帰るんだい名前ちゃん」
「それは鍵を使って、としか…」

にんまり、と顔を歪めて情報屋の折原さんはいった。

「さぁて、この鍵は誰のでしょうか?1.俺の 2.名前ちゃんの 3.その辺の人の 三択だから、どれか一つ選んでね。そしたらその鍵あげるよ」
「えっ…」

その鍵を手のひらで弄んでいたようで、鍵は少し湿っているように見えた。

「さぁ、早く答えないとこの鍵どこかにいっちゃうよ?」
「え、…なら2で…」

この人のことだから、私の鍵とか抜き取っていてもおかしくないと思った。

「はい、名前ちゃん残念ー!この鍵は俺の鍵でした!ということで、この鍵を君にあげよう」

急展開。
待って、何 えっ
よくわからないのですが。

「渡したし、俺は帰るかな、シズちゃんの匂いしてくるし。じゃあまた名前ちゃん。俺の家でね!」

なんか負けた気がした。






110405

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