隣が騒がしいと思い目を開け、頭だけで向こうを確認すると(鳩尾がまだ痛い)、会長らしき声と笹原の声が聞こえた。
「ちょ、名前ちゃん落ち着いてください!こんな姿見られたら…!」 「会長さん少し黙ってて下さい。あれ、元気じゃないですか。やってもいいですよね」 「いや何言ってるんですか!」
なんだ、この状況。 とりあえず、ゆっくり起き上がり脱いでいたワイシャツを着た。湿布はまだ貼ったままにしておこう。 そしてベッドの端のところに背中を任せ、隣のベッドを見る。カーテンは引いてあるが、日差しがあるので影が少し見えた。
「会長さん、ここですね」 「やめて下さいって」 「やめる訳ないじゃないですか。こんなに楽しいことなんてありません」
カーテンごしの影は、もぞもぞと動いていて、ある一点で止まった。よく目を凝らすと上に誰かが乗っているようだ。
「会長さん、覚悟決めてください」 「えっ、」
本当、なんだこの状況。 声だけ聞くと、笹原が会長を襲ってるようにしか聞こえないんだが…。でも会長も拒否すればいいじゃないか。……待て、会長は嫌といいながらも喜ぶMの方なのか。
「会長さん、逃げたいですか。でもだぁめ。逃がさないですよ。私を悩ませた責任とってください」 「わかった!とるから!上からどいて!!」 「そういって逃げるんですよね…。そう簡単には逃がしませんよ」
にぃと笑みを浮かべる笹原の姿が思い浮かべられる。怖いな。
「ゆっくりゆっくり痛めつけてやります」 「名前ちゃんキャラ変わってない!?」 「気のせいですよ?」
邪魔しちゃまずいか。会長を笹原が襲っていたなんて、公には出来ない。むしろ男の恥じだ。多分。 俺は鳩尾の痛みが少し緩和されたので、ゆっくりとベッドから下りた。ぎし、とベッドから独特の音が響いた。
「唐沢、助けてくれ!」 「な、最低です!お楽しみはこれからなのに!」 「会長、誰にも言いませんから」
俺はそういってゆっくり保健室からでていった。
数10分が経ち、笹原は生徒会室に満面の笑みを浮かべて来た。
「帽子くん、言っとくけど私会長さん襲ってないから。保健室に残ってるからみてみなよ。私すっきりしたから帰るや!じゃあねー」
名字のいうことが本当なら、と彼女がいなくなった後保健室に向かうと何故かりんごちゃん、さんにやられたときより疲れている会長がいた。
「どうしました」 「女の子って怖いな唐沢」 「そうですね」
こんなに悟っている会長を見たのは初めてだと思う。
120227 唐沢視点でお送りしました 会長さんの口調がわからない 一応生徒会相談室はこれで終わりです
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