「お邪魔しますー」
そう、と生徒会室の扉を開けると誰もいなかった。 え、どういうことなの。 しかし、机の上には筆記用具に本やら先程までいましたよみたいな感が漂っていた。
「いないのか…」
これじゃあ会長に平手打ち出来ないじゃないか。平手打ち?いや鳩尾にでも拳入れてぐりっとまわす?どっちがいいかな。 まあ会ったら両方やればいっか。
「…ミカリンさん?」 「ん?」
名前を呼ばれ振り向くとヤンキー紛いのモトハルくんもといハルちゃんが立っていた。
「みんなのアイドル(笑)ミカリンでっす☆」 「…わざわざ、かっこ笑いかっこ閉じって付けなくてもあと最後なんでほしって言った…」 「気分」 「そうか」
タダちゃんみたいな壮絶なツッコミは期待出来ないな。うん。ハルちゃんは冷静に一個一個崩していく、なんかの建物ぐらぐらゲームみたいだ。あれ、本当下のほう取れないんだよね。で、結局崩してやり直し、みたいな。
「なんのよう、ですか…」 「会長ぶん殴りに来た」 「は」 「会長ぶん殴りに来た」 「いや二回も言われても一回目で理解してるからな!」 「そう、だってここ相談室みたいなもんなんでしょ?だから私は会長を殴りに来たという相談を持ち掛けたの」 「…」
ハルちゃんはぽかんとした顔を浮かべていた。どうした一体。 「会長はすでに平手打ちを受けた後ですけど」 「まじでか。じゃあ保健室にいるの」 「いますけど、まさか」
そのまさかだよハルちゃん。傷に塩を塗らなきゃ。そうしたほうが痛み倍増ですし。
「じゃあ保健室行ってくる。邪魔すんなよ」
私は生徒会室の出入り口へ向かう。
「ほっ、保健室には!唐沢もいるんで!!」 「それがなに?いちゃいちゃしてる訳じゃないんでしょう」 「いちゃいちゃしてます!」 「は?何それ帽子くんそんな趣味なの」
いやびっくりするけどさ、顔真っ赤にして目泳いでる時点で嘘だよね。気付いてますよ。あと、ちなみに副会長さん戻ってきてるよ。 扉に近いからこそ人の足音が近いってわかるし。多分今副会長さん真っ青だね。
「じゃあそのいちゃいちゃ写真撮ってくるから、行ってくるわ。あ、ハルちゃん。ちなみにそれ全部嘘だって知ってるからね。女性の観察力なめんな」 「…え」 「副会長さん、入って平気っすよ」
カチャ、と控えめな音で副会長さんが入ってくる。予想通りに真っ青だ。
「じゃあ塩ぬってくる」
私は気まずい二人を置いて保健室へと向かったのだった。
……とりあえず、保健室の場所聞かないとな。
120220 すみません…orz
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