なんで、いるのよ…
私は何度目になるかの溜息をついた。 おかしいでしょ なんで校門前にいるの 私教えてないし なんで
ひらひらと手を振る、折原臨也という人。
今は放課後であって、これから帰ろうとしているのであって…
「また会ったね名前ちゃん?」 「………チッ」 「え、何舌打ち?やだなあ。そういうことされる為に俺は来たんじゃないのに。ただ俺は名前ちゃんと話したかっただけなのになぁ」
すごく、棒読みだった。 最初から最後まで感情が入っていない。
「ん?ああ、なんで俺がこんなところにいるのか知りたい?それはね…」
とりあえず無視することにした。 こんな人なんていない。 ああ、いないですとも。
「名前じゃあねー」 「じゃあね、また明日!」
クラスメートに挨拶をして私は帰路を急ぐ。 いなくなったかな?と家の道程半分を過ぎたころに後ろを振り向くと誰もいない。
「はぁ、やっといなく…」 「ん?誰がいなくなったんだい?」
前からいやな声。 まさか そんな
「残念だったね名前ちゃん。俺を無視するなんて並大抵な人は出来ないよ。まあ、よく知らない人は逃げると思うけど」
アハハ、と乾いた笑みを見せる人。
「…昨日問いましたが、どなたですか?」 「あ、名前忘れたの?」 「いえ、そうではなくて…」
話しが噛み合わない。 なんだこの人。
「…折原さん。あなたいったい何者なんですか?」
まともな質問をしたと自分で思ったが、相手はびっくりしたようで、はとが豆鉄砲喰らったようなきょとん、とした顔をしていた。 それで私は、この人は人間だったんだな。とすごく当たり前なことを考えていた。
110404
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