いやまさか、ミカリン(偽名)がモトハルのことをハルちゃんなんてかわいらしく命名するとは思ってなかったんだけど! 今俺超ショック。、なんてさ。誰に言ったって俺のあだ名は眼鏡だっつーの!ちくしょう!
「ヒデノリ、どうした?」 「…ああ、空気か…」 「意味わからねぇんだけど」
そういえばこいつも変なあだ名だよなあ。空気読め男とかまあそのまんまだし。むしろ、無料とかそのまんまだし。その後で関税が無料な国、略して無料国!なんてことも無きにしもあらず。うんうん。有り得る。
「どうした、お前、今日どっか可笑しいぞ」 「いや、タダクニ。ヒデノリは基本こんな感じだ」 「ヨシタケ!」
ああ、ヨシタケか、ヨシタケは金髪くんだもんな。…そのまんまじゃねぇか。俺と一緒じゃねぇか。
「ヨシタケ、お前俺と一緒だな…!」 「は?……タダクニ、すまない。ヒデノリがおかしい」 「だろ?」
なんだよ、なんだよ二人して!俺はおかしくなんかないぞ!いつも通りじゃないか!
「あ、モトハル早いな」 「ああ、ヨシタケとタダクニか…ってヒデノリはどうした?」 「ああ、気にしないでくれ」
二人は溜息をついて、可哀相な目で俺を見てくる。なんだ、なんだ。
「ヒデノリ、フラれたんだろ?」 「は?告白なんかしてねぇよ」 「嘘はよせよ、ヒデノリ」 「そうだぞ名字…っいやミカリン(偽名)にフラれたんだろ?」 「タダクニ、今いった名字ってミカリン(偽名)の名字?」 「いや、違う」 「お前らいつまで(偽名)っていうつもりだよ」 「「フルネームを知るまで」」
ヨシタケはまた溜息をついて校舎の中に入って行く。俺らはその後ろ姿を眺めながら、唐沢を探していた。 何故かって? フルネームを聞くためだ!
「タダクニ、お前、沢山あだ名あっていいよな」 「いや、ありすぎると名前呼ばれてるって気付かないぞ」
120214
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