「おー、屋台沢山あるのなー」
キョロキョロと見渡すミカリン(偽名)。うん、普通に端から見れば女の子だ。普通普通。 いきなりパシリにされたりされないし。うん。いいことだ。
「ねー、金髪くんよ」 「だから名前覚えろよ、で何?」 「……1000円…両替出来る?」
何かと思ったら、何か買いたいものを見つけたようで、しかし1000円を出すのは躊躇われる、らしい。
「何、欲しいんだ?」 「……わたあめ…。金髪くんおごってくれるの?」 「…少しわたあめくれ、んで50円払え」
わたあめの値段は200円。最近砂糖高いんかな。まあ、いっか。 わたあめを一つ頼み、10円を捜すミカリン(偽名)。
「はい、ヨシタケくん。ありがとう!」 「…あー、うん…どーいたしまして」
名前、呼ばれた、名前!というか名前覚えられてた!いや、待て、タダクニよりヒデノリより先に俺名前呼ばれた。あれ、今日ラッキーじゃねぇか。やった。 わたあめがきたので、ぼうとしながらミカリン(偽名)に渡す。
「金髪くんよ、携帯震えとるぞ」
感極まっていた俺にいつも通りの御忠告。ちくしょう、また金髪に戻ってやがる。 携帯をだし、電話にでると、先程無理矢理変わってもらった副会長が用事があるから、受付を離れる、ということだった。戻らなきゃ、か。
「どったの、金髪くんよ」 「受付に戻らなきゃならなくなった…」
そういうとミカリン(偽名)はしゅんと落ち込んでしまった。
「友人呼ぶから、ちょっと待ってろ。お化け屋敷でタダクニとヒデノリに会うんだろ」
そう彼女にまくしたて、電話をかける。出るか、出ないか。あ、出た。
「あー、唐沢。女の子そっちに連れていってくれねーか?ん?場所?屋台のとこ。ん、よろしく」
彼女に唐沢のことを簡単に説明し、俺は自分の持ち場へ行ったのだった。
受付になんて戻りたくない (唐沢=帽子っていったけどわかるよな)
120205 みんな大好き唐沢さんは次出ます。 |