情報屋「折原臨也」という人物を知っているだろうか。 多くの人は折原のおの字を聞いただけで怯える、らしい。
そのことを友人から聞いた私は「そんな人いるなら会ってみたいなぁ」と軽く考えていた。 日常を非日常に変えたいわけではなくて、そんな面白い人がここにはいるのか!と感心して見てみたかったのだ。 情報屋という仕事も、バカ力をもっている人も、何もかも見てみたかったのだ。 知らないことを知りたい。ただの欲求のようなものなのかもしれない。 友人の情報によると、池袋ですごく喧嘩が強いという平和島静雄さんとよく戦争しているらしい。 戦争とは言いすぎのような気がするが、そんなことはなかった。
先ほど、その真っ最中だったのだ。 バーテンダー?の格好をしている人が自販機を投げていて、叫んでいて その相手の人は軽やかに逃げていて、私は少し興味を持った。 そのときの目は少し輝いていたのかもしれない。
「ふぅん…」
その彼が私のほうを見ているとは気づかなかった。
「名字名前さんですよね」
私の名前が呼ばれた。気のせいかと思って無視をして帰り道を急ぐ。
「逃げないで欲しいなぁ?名前ちゃん」
逃げている?そりゃまあ逃げる。知らない人だもの。
「そりゃ勘弁願いたいね。じゃあ今日はこの辺りにしておこうかな。じゃあ、またね名前ちゃん」
110403
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