普段の帰り道だった。うん、ほんとに。でも、なんであれ、もう既に普通じゃないよね!
「へぇ、空気読め男くんどうしたの」 「空気読め男くんー!」 「ああもう、ヒデノリもヨシタケもやめろ!んでそこの方、俺にはタダクニっていう名前があるんだ」 「そこの方って…他人行儀だねー?眼鏡くん」 「俺はヒデノリっていう名前が…」
そう、ヒデノリと前回会話をしていた、あの女子高校生。
「で、ヒデノリ、名前はなんていうんだ、この方」 「いや、わからん」 「使えねぇなあ!」
その会話をにこやかに眺めている女子高校生。なんだ、何がおもしろいんだ!
「で、えーと、名前はなんていうんですか?」 「あっれ、眼鏡くんに言ってなかったっけ。ミカリンって言うんですよ。偽名だけど」 「偽名かよ!」 「そっか、ミカリンかあー」 「納得するのか、そこ!」
だめだ、ヒデノリは女の子がいるという時点ででれっでれしてる。あれじゃあヨシタケは…、あ、やばい。ヒデノリやばい。あいつ木の棒構えてる。
「たらったー、金髪くんはレベルアップした!」 「いやだから俺ヨシタケって名前…」 「ん?」 「なんでもない、っす」
あ、もう。だめだ。ヨシタケも落ちた。姉妹がいるもんな…、それも使い勝手の荒い…。そりゃ、落ちるよな。いつもむさ苦しい教室でこんな可愛い笑顔を浮かべる女の子なんていないもんな。うん、男子高校だもの。女の子なんている訳ないじゃない。
男子高校生と帰り道
(しっかしみんな面白いね!友達も一緒に帰ろって誘おうかなあ…) ((……文学少女を呼ぶ気か…))
120131 ちなみに女の子とは途中で会って一緒に帰ったらしいです。
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