文化祭まで時間があるので(彼女情報)、私は彼女がその男子高校生に会った土手に来ていた。 ざあと風が吹き荒れ、私は友人の話を思い出し笑みを浮かべてしまった。 ……あれ、まさか。あれ。 いるし。男子高校生いるし。 まさかの、まさかの!!
眼鏡をかけているようだったので眼鏡かと思い出し、私は彼女がやったように彼の斜め後ろへと立ち、腰掛けた。
さて、どうでるか。
そわそわ、とせわしなく動く眼鏡。何してんだこいつ。
「今日は風が騒がしいわね」
ちょっといらついたので彼が言ったと聞いた台詞を言ってみる。馬鹿だよなあ本当。
「だが、この風、泣いているぞ?」 「…っ、堪えらんない!やめだやめ!眼鏡くんすまないね」
笑ってしまい、もうかっこよく決めるつもりがただの恥さらしになったので大笑い。
「あっははは!いやでもほんと!ないわ!!」 「えーと、どちらさまで?」 「っ、ああ、あの文学少女いただろ?あの子の友達。変な男子高校生がいるって話聞いたから会ってみたくってさあ!あ、もしかして女の子苦手?」
私と目を合わせたりなんかしないことを合わせると十中八九そうだろう。男子高校生って若いよね。いやまあ私も女子高校生だけど。
「はあ、まあ…」 「そだ、名前!名前何眼鏡くん!多分覚えないけど」 「覚えないのかよ!あ、」
いい突っ込みだ。と変なところで感心していたら金髪と空気読め男がいた。
「あ、あれが空気読め男か」 「ぷっ…タダクニが空気読め男って…」
腹をかかえて笑い出した眼鏡くん。なにもおもしろいこと言ってないけどなあ。
「…もしかしてあの二人も女の子苦手だったり?」 「…おそらく」 「じゃあ帰るわ。じゃーな、眼鏡くん!」
私は立ち、補整されている道路を歩く。遠くから悲鳴みたいな声が聞こえてくるのは気にしないことにした。
男子高校生とお友達
120126
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