あぁもう、嫌になる。

さよならなんて知りたくなかった。
ミツオくんに怒鳴ってしまった。
嫌われたかな。嫌われただろうな。


「こないでって…いっちゃったし」

あぁ、神様ごめんなさい。
神様に謝っても意味がないことくらいはわかってるけど、謝らせてください。
彼にひどいことを言ってしまって本当悪いと思うのです。
だから、いつ彼が来てもいいように、私の命の期限をせめて一週間伸ばしてください。
一ヶ月なんてわがままは言わない。

せめて、一週間。

痛みに耐えて、薬もうつし、わがままは謝りたいだけだから。
あえなかったら会えなかったで手紙を残して看護師さんに渡してもらうから。

お願いです、どうか神様。

私の命を一週間だけ延ばしてください。

      ・ ・ ・

いつもは来るはずの曜日にミツオくんがこなかった。

「嫌われちゃった」
「あれ、どうしたの名前ちゃん」
「看護師さん。ねぇお願いしてもいい?」
「何?」
「私ね、手紙を書きたいの。だから、便箋とかじゃなくてもいいから…」
「わかった、家からとびきりかわいいの持ってくるね」

にっこり笑った看護師さんはやっぱり素敵で、でもいつ消えるかわからないから神様にお願い。

「神様、取引しよう。私はまだいなくなりたくないから私のかわりにだれかつれていって」


取引

130609

実際のところ取引というものは「どんなことでもするから!」という感じなのですが私の中で彼女はどんなことでも…なんていわない子だと思い、このようにさせていただきました。
まだこのような方と接したことなどないのであいまいな部分が荒目立ちしますがもうしばらくお付き合いください。

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