わからないなら直接きけばいい。

リョウの部屋へ上がり損ねた私が自室で考えた結果がこうなった。
そして今日が所謂決闘の日。ユウスケくんを直接呼び出して聞く。

「田畑くん!ちょっと放課後開けといて!」

みたいなことが言えない意気地無しなので、手紙を書く。付箋に名前と放課後を開けてほしい、と書いて田畑くんの筆箱に貼る。これくらいなら、ミッさんとかにもばれない。

やはり、思った通りに授業は集中出来なかった。
数学の公式は抜けていったし、英語なんて耳から耳へ通っていった。
ぼんやりとしながら私は自分の机に突っ伏した。

「名前さん!」

ゆさゆさと揺すぶられ目を覚ますと田畑くんがいた。何故なんだ?と窓のほうを見るともう景色は赤く染まっていた。時計を見たらもう放課後。

「ごめん、田畑くん!」
「いや大丈夫だよ。よく寝てたなー」

笑いながらいう田畑くんに本気で申し訳なくって、言ってもいいのかな、と心配になる。

「ね、田畑くんに聞きたいことあるの?」
「なんだ?」

キョトン、とした顔で私を見た田畑くん。

「あのさ、彼女いるの?」

田畑くんは目を丸くさせてぱしぱし瞬きをした。

「は?」
「いやだから田畑くんに彼女いるかって聞いてるんだけど」

また瞬きをした。なんなんだいったい。

「っ!なんだよ、そんなことかよ!真面目に聞いてきたから何事かと思ったら」
「そんな笑わなくたっていいと思うんだけどさ。で、どうなの」
「いないよ」
「あー、そっかー。いるよ…っていないの!?」

さらりと「いないよ」といわれてしまった。ならあの女の子は?なんだったんだろう。この悩みは。

「あぁ、いない。それがどうかしたか?」
「ううん、なんでもない」

ならあきらめなくたっていいってことか。そっか。


無の中の混沌に消える

(何もなかったごちゃごちゃが消えていった)


130405

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