もじ | ナノ
※りんごちゃん妹設定
 りんごちゃん卒業済
 あと地味に会りん要素有
 




怖そうに見えるけど実は優しい人だってことはみんな知らないんだ。ちょっと嬉しくなった。彼のいいところを見付けられたのが私だけ、ということになるから。

「お姉ちゃん」

お姉ちゃんと同じ学校に進んで、2つ目の制服はお下がりだけどかわいい制服の女子高に入れたということで私の気分は舞い上がる。

「なーに、名前」
「今日変なとこない…?」
「ないわよー…ん、なんか今日あるの?」
「会議!」

これ以上言うと、お姉ちゃんは変な方向に感づくので言わないこととする。すごく休みたい土曜日なんかに制服を着てるんるんしてるなんて高校三年になって…と自分で突っ込む。お姉ちゃんは学校で自ら進んで生徒会長やっていたけれど私は無理矢理(お姉ちゃんが「やりなさいよーっ!」と言ってきた)副会長に任命された。あんまり仕事はないわよ!とお姉ちゃんは言っていたけど実際本当なのかは不明。だけど、近くの男子高に行かされたなあと思い出す。あのときのお姉ちゃん、ちょっぴり暴れてたけどあれただの照れ隠しなんだよね。ちなみにそのよくお姉ちゃんの八つ当たり?にあっていた先輩はお姉ちゃんと同じ大学に行っていて、地味にサークル(部活みたいなものよ、とお姉ちゃんが言ってた)が一緒らしい。楽しそうだね、といったら赤くなって「そうでもないわよ」と言っていたので案外満更でもないのかもしれない。
なんて、電車の中でお姉ちゃんのことを考えていたら最寄り駅に着いてしまった。彼、迎えに来てくれるのかな。

「あ、お、遅くなりました…!」

周りの人から数メートル距離を置かれているが、私の見知った彼がいた。

「いえ、先程来たばかりなので」

私は迷子になったことがある。お姉ちゃんと一緒に帰っていたら簡単な道なはずなのに素晴らしく綺麗に迷ってしまって、彼が探してくれたのだ。すみません、と謝ったら「同じ役職みたいなものですし気にしないで下さい」とうっすら微笑みながら言われてしまい、どきり、とした。
最初は、色が黒くて金髪で(というかあそこの男子高の髪の色カラフルだと思うけど、校則緩いのかな)怖い人だと思って、敬遠していた。
でも実際近くに来てみると、紳士的な人だった。むしろ仕事が出来て、丁寧な人だった。所謂人を外見で判断してはいけない、ということを私は身を持って知ったのだ。

「私もう迷子にならないと思うんですけど…結構道覚えましたし…、あ、ここ左ですよね」
「いえ…右ですが」
「う……これからもお願いします」

しゅん、としながら上を見上げ、顔を合わせると目を逸らされてしまった。あれ。

「どうしたん、ですか?」
「いえ…、あ、着きますよ。今日は文化祭の話の予定ですが…そっちの会長は…」
「………あ、えーと会長は感染症で…」
「だから副会長の名前さんが来たと」
「あれ、私副会長って言いましたっけ…」
「会長が…、あ、前の会長がメール送ってきたんですよ。りんごちゃんさんの写メ付きで」
「あー…、もしかしてカレーパン食べてる写真ですか」
「それです」

私たちの話題はお姉ちゃんたちの話題しかない。ちょっぴり悲しいけれど、話せるだけいいのかなあと思う。

「モトハル、お茶。名前さん来たぞ」
「おー」
「唐沢さん達、久方ぶりです。姉がお世話になってました」
「あー、いえいえ、こちらこそ…、って会長顔しかめっつらですよ」
「…そうか?」

横にいる彼を見上げると、少し難しい顔をしていた。

「会長さん、会議始めましょうか?」
「そうだな」



怖そうに見えるけど

(本当は優しい人)



120624
久方ぶりに副会長
口調曖昧ですみません

ちなみに、アンケートにより書かせていただきました。
ほのぼの恋愛風味ってこんなものでしょうかね…?ううむ



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