もじ | ナノ
※会長とりんごちゃんが出てきます。

最近の暖かさは本気で死ねといいたくなる。いやあったかいのはとてもいい。私の問題はアレルギーという名前の花粉だ。
あいつは暖かくなると、ひゃっほうと出てきやがって(ハウスダストもあるが、埃も舞ったりするのは暖かくなってからだと断言してみる)、私は連日くしゃみばっかりだ。本当、つらい。ティッシュ箱が欲しいくらいだ。いや、むしろ鼻にティッシュを詰めたい、が、一応、一応(大事なので二回言った)私は花の女子高生という素晴らしい称号を持っている、はず。そんな私がティッシュを鼻に詰められるか?答えはNO、だ。(いや家なら全力でやるが、外では出来ない)それを友人に言ったら爆笑された。

「マスク付ければいいじゃない…!」
「やっさん、私がマスク嫌いなこと知っててそれ言うのな」

やっさんは中学のときの同級生だ。先日ばったり走っているところに遭遇し(追いかけっこともいうが)、最近会ってよく話す。

「でも、それはやめたほうが、ふっ…!」
「もう、笑えばいいよ…」

話したのが間違えだったなあと思いながら駅までの道を歩く。

「あれ、会長だ」
「あ、あの人…」
「……やっさん、いってらっしゃい」
「うん」

やっさんは真顔で男の子のほうへ行く。あの男の子もドンマイとしか言いようがない。

「会長、また何食べてるんですか」
「ん!かふぇーぱん!」
「食べながら喋らないで下さいよ。先輩」

こくこく、と頷く先輩はまさかの感じで生徒会長さんだ。実際同級生に間違えることが出来そうである。生徒会に私の友達がいたのでのんべんだらりと生徒会室に入り浸りしていたら顔が割れてしまった。まあそういうもんか。

「…ふぅ名前じゃない!どうしたのこんなとこで!」
「会長、口許に…」

ぐい、と持っていたタオルで拭うとへらりと会長が笑った。私より年下に見える。

「あ、りんごちゃんじゃあないですか!」
「あなたどちらさまですか」
「ん?ああ、俺は男子高の会長です」

この辺りで男子高と聞くと、真田東高校であり、むしろ一回私この人みた気がする。

「……会長に殴られてた人…くしゅん…か」
「名前ティッシュいる?」
「あ、貰います。ありがとうございます」

タイミングが悪い。しかし自然現象だ。仕方ない。

「名前ちゃん、ティッシュあげますよ」
「あー…っしゅ、ありがと…っぶしゅ、ございま…くしゅ、す」
まともに喋れない。あれ、でもさっきまで、普通に喋れてたんだけど。

「っぶしゅ、ずっ…」
「名前風邪?」
「いや、多分花粉症かと…っくしゅ。目が痒くないからよくわかんないですけ…ぐしゅ…ど。ずっ」

ズルズルと鼻水を啜りながら、先程貰ったティッシュで鼻をかむ。最悪だ。

「名前ちゃん、大丈夫ですかい?」
「っぐしゅん、くしゅ。あー、はい」

鼻をつまみ、簡単に返事をする。


止まらないのです

(会長、ティッシュないですか?)
(ないわね)(ないですね)
(あー、そうです、ぐしゅ。マスクつけなきゃかなあ)


120509




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