もじ | ナノ
3時間目の授業が終わり、次は4時間目がはじまるころに
私はこいつの席に向かった。
何か貰えるかなって思って…食い意地しかないさ!!
そいつの前の椅子に座りいった。

「お腹、すいたー」

目の前で菓子パンを開けようとしている奴に目線を向け、いやパンに視線はあった。

「しふぁねぇ(しらねぇ)」
「少しくれ」
「ふぁがふぉとふぁる(だが断る)」

口喧嘩。菓子パンなんか食いやがって…
腹減った。腹減ったよー!

キーンコーンカーンコーン

チャイムなりやがった…
ちくしょう。

「残念だったな名字」
「あとでなんかくれよ」
「覚えていたらなぁ!ケセッ」

多分この言い方…確実覚えてないな…
期待しないようにしよ

そう思いながら自分の席へ向かい、つまらない数学の授業を受けた。

「ギルー、数学わからん!」
「名字ばかじゃねぇの!」
「うるせぇーあと名前で呼べよー」

結構口喧嘩やらしてるくせにギルは名前で呼ばない。
何故?

「ま、ご飯食べるぞおおお!」

すっかりギルとのことを忘れていた私は、弁当を食べはじめた。

「なあ名前」

ギルに名前を呼ばれドキッとしてしまった…悔しい。

「何?」
「卵焼きくれ…」
「いいけど…突然名前呼ばないでよ、びっくりするじゃん!」
「ケセセッ、いただき!」

無視しやがって…
まあいいけど。

ご飯を食べ終わり、机でぐだーってしてたら名前を呼ばれた気がした。後ろを振り向くとニヨニヨ笑っているギル。

「ギル、気持ち悪い」
「うるせぇ、名前ちゃんと受け取れよ!」

ひゅっ、と投げられたのは飴。
「何飴ー?」
「コーヒーだぜー」
「…甘い?苦い?…私コーヒー苦手なのに…」
「んー…普通!」
「普通ってなんだ、普通って!」

とりあえず飴には罪ないので貰っておくわー
そういって私は飴をポケットの中に突っ込んだ。

学校が終わり、帰り道。
風が強く寒いので私はポケットの中に手を入れた。

カサッと何かが入っている音がして、出してみたら今日貰った飴が出てきた。

「…なめるか…」

私はその飴をなめはじめた。

甘くはなくそこまで苦くない飴だった。

「ギルベルトみたいこの飴…」

そう思ったら何故か少し恥ずかしくなってきた。
なんでさっきからギルベルトのことばっか…!




(その意味に気づいたのは、次の日でした。)




100317

本当にコーヒーキャンディを貰いました。
そんな感じ


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