もじ | ナノ
私は副会長さんを見て核心した。
これがあの顔黒たまごくんか、と。まさか現実にいるとは思わなかった、と。

「何?まだおでんちゃんフィギュア集めてんの?」
「会長!がんぐろたまごくんかっこよくないですか!」

私の高校の会長さんは私の古くからの知り合いで、だからこそ私の趣味を知っている。以前爆発的?に人気があった『おでんちゃん』という番組、いや実際は絵本とかその辺りのだったのだが、その中でのがんぐろたまごくんが私は前々から大好きだった。

「あー、はいはい。かっこいいわねー。あ、あたし北高に用事があるから行くわね」
「会長私も行く!クレープで手を打って下さい!」
「いやカレーパンなら手を打つわよ」

カレーパンの方が安上がりである。万歳。私は会長さんにカレーパンを買うということで手を打ってもらった。2つまでなら、だけれども。

そして1番上に戻るのだ。
会長のお陰か何かで、北高の金髪バ会長は知っている。(あと唐沢くん。帽子が目立ってたし。)
校門前でちまちまと落ちているゴミを拾い持っていたゴミ袋にいれていた唐沢さんと副会長さん、そして多分モトハルくん?が私のところの会長を見て、びくりと震えた。いつも会長いないと思ったらここで時間潰してるのか、なんて思ってみたり。

「りんごちゃん…さん、そちらの方は誰でしょうか?」

副会長さんが私のほうをちらりと見遣り、目がぱちりと合った。ばっ、と勢いよく離されたけれど、がんぐろたまごくんみたいだった。(褒め言葉)
がんぐろたまごくんはヤンキーなんだけれど、好きな人とか、憧れる人に助けて貰って更正するけど、結局お客さんに食べられてしまうというなんとも可哀相な役割の子だ。

「ん?ああ、あたしの知り合い。ね、二人で話しててよ。あたしバ会長殴ってくるからさ。あいつ計画表いつになっても持って来ないんだから!」
「は?りんごちゃん、さん?とりあえず、唐沢、モトハルりんごちゃんさんを頼む!俺はお客様相手にしてるから!」

てきぱきと計画を立てて発言している副会長さんことがんぐろたまごくん。いや違う。副会長さん。

「かっこいい」
「え、」

私の呟きは、彼に伝わっていてちょっぴり恥ずかしくなった。

「いや決して副会長さんのことを言ったわけではなく、いや言ってしまったけれど、がんぐろたまごくんみたいじゃなくて紳士さんなんだなあって思ってかっこいいなあって思ってしまったんですよ!」

よくわからないまま勢いよく口から出すと副会長さんはえ、とまた口を開けていて凄く気まずかった。

「……なんかありがとな。あ、名前は?」
「名字です」
「名字じゃなくて名前教えてくれないか」
「名前…です」

名前を言うと、副会長さんは笑顔を浮かべてくれて、その笑顔に見惚れてしまった。


がんぐろたまごくんみたいだけど違う人

「名前!帰るわよ!」
「会長待って、私まだ…っ(名前聞いてないっ)」




120415



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