もじ | ナノ
今すごく私の彼氏に言いたいことが出来た。やばい、何あれ超面白い。
ちなみに今は日曜日。そして親がいないとき。…うーん。部屋着だから彼の家には行きたくない。でも凄くいいたい。ものっすごく言いたい。

「あ、電話すればいいんだ」

はた、と気付いて漏れた言葉は家の中で反響して、ひとりぼっちということを強調させた。
いや、寂しい訳じゃないんだ。ただ、言いたいだけ。あんな面白いこと言わなきゃ損だし。
携帯電話は自室で充電中なので、充電しながら電話かければいいか、なんて短絡的に思う。

「あれ…私電話番号知ってたっけ…」

ふと沸き上がった疑問。アドレス帳をあさり、モトハルの場所を出す。メールアドレスはある。ちゃんと、誕生日だとか登録もしてある…けど。

「普通電話番号あるだろ…彼氏だよな…」

あさったアドレス帳にはまさかな感じで電話番号だけなかった。なんていうことだ。この面白いネタを誰に言えということなんだ。

「アドレスはあるからメール?いや、うーん。メール打つの面倒くさい…。家にでも行こうかなあ…」

ちなみにもう一度いうが、私は今部屋着である。むしろ寝起きといっても過言ではない。そして今日は日曜日だ。安息日として神様が用意してくれた日である。そんな日に外に出るなんて…という意味のわからない葛藤が生まれてくる。しかし私はこのネタをものっすごくモトハルに言いたいのだ。
あ、ならミノ先輩に聞けばいいんだ。ミノ先輩はモトハルのお姉さんであるし、二人は仲がいい。
かちり、かちりと携帯をいじりミノ先輩へメールをした。
【弟さんの電話番号教えて下さい】
よし、完了。
ミノ先輩からはものの数分で返ってきた。
【090####****、だよ。え、弟の彼女なのに知らなかったの!】
知らなかったんですよ。ミノ先輩。すみません。
私はとりあえず電話番号をアドレス帳に登録し、電話をかけた。

「もしもし、モトハル?」
「ああ名前か。どうした?」

あっさりとした回答だな。前から私の電話だとわかっているくらいに…。

「モトハルー、モトハルはおるかー」
「すまん、名前。姉ちゃん来た……自室におりますが、姉ちゃん何のよう?」
「お前さー、彼女に電話番号教えてなかったのか?」

あ、ミノ先輩。言っちゃだめですって。

「は?教えたよ、紙に書いて。いきなりなんで?」

……紙?え 紙 kami?ペーパーですか。
……シュレッダーにかけたような…気が…。
個人情報だからーとか言ってかけた気がする。

「そうか、なら何も言うまい。電話中なんだろー話しておけよー」
「わかったよ、姉ちゃん。……あー、すまないな。もしもし?名前?何の用?」
「ごめん。モトハル。シュレッダーだ」
「は?」

いや本当すまない。だから私は今日君の家の方向に土下座するさ。

「ああ、まあいいけど。なんのようなんだ?」

モトハルが天使に見えるよ。髭があるけど。髭のある天使って気持ち悪いけど。

「私、父親に声間違えられた!すごくない?」
「あほか」


間違えられた!

(え、なんで)
(お前女だろ)





120322
実話です。



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -