もじ | ナノ
※一応言っておくがヒデノリの兄


ユウスケさんは私のお兄ちゃんの友達である。意外といけめん(もう死語かな?)で眼鏡の人である。私のお兄ちゃんは周りの人がいうように変態さんである。間違いはない。夜中、PC画面を見て、「ふひひ」なんて呟いていたお兄ちゃん、私見てないよ?うん。「○○ちゃんかあいい。パンツ何色なのかなぁ、ぐへへ」…ぐへへじゃない気がする。いや、違う、違う。こんなお兄ちゃん私は見てないよ?うん。
そんな変態さんであるお兄ちゃんの友達ユウスケさんは私の中で、年上という概念を綺麗に破りすてた。ユウスケさんはどちらかというとあまり年上に見えなくて、なんといえばいいんだろ。精神年齢が高校生くらいなんだろうね。だから似合っているのだと思うのだけど。
今日ユウスケさんは私の家に泊まりに来ていた。家の鍵が開かなくてさと苦笑を浮かべたユウスケさんは苦労してるんだなあ、としみじみ私は思ったのだ。

「ユウスケ、すまん。ジャージしかねぇ。寝るときこれでいいか?」
「着れればいいさ。ありがと、」

ひょいとリビングに入りお兄ちゃんはユウスケさんにジャージを投げた。高校時代のジャージである。てかてかしていて、所謂、似合う人には似合うジャージとして私の中でインプットされていたジャージであった。…ユウスケさん…似合わなさそう。私はそう思って、いけめん(死語かもしれない)なユウスケさんのイメージが壊れそうだから、お風呂済んだら自分の部屋で引きこもろうと心の中で決めたのだった。

そう、決めたのだけれど、今その決心が意味なくなりました。なんで今着替えるのかな。デニム素材が痛いのかな。まあジャージは柔らかいから痛くはないと思うのだけど。

「え、何ユウスケ似合ってんの、最悪。いじめのつもりだったのに」

夕飯前に着替えるか、と呟いたユウスケさんは直ぐに着替え始めた。ちなみにリビングである。…私はテレビ見てたから着替えシーンは見てないけど、…いやちらっとは見た。ごめんなさい。そして着替え終わったらお兄ちゃんに上の台詞を言われたのだった。

「最悪じゃねぇか、何似合わなさそうな奴俺に渡すんだよ」
「いや興味でな?」

お兄ちゃんはまあセンスはいいほうだと思う。変態さんだけど。変態さんだけど。(とても大事)

「名前ちゃん、どう似合ってる?」「私の名前なんで知って…」
「いや、君のお兄さんが妹めっちゃかわいい、襲いたいレベルだーって言ってたからさ、覚えてたんだ」
「お兄ちゃん、襲いたいレベルって…、とりあえず今日の夕飯は塩水だけにする?」
「名前、すみませんでした。」

にっこりとお兄ちゃんに笑いながら、ユウスケさんのほうを見る。てかてかした蛍光色のするジャージはなんだかユウスケさんらしくて少し笑ってしまった。

ジャージが似合う

(でもユウスケさん、なんで上を下のズボンに入れてるんですか、ださいです)
(え、いや…、そうだな)



120319



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