もじ | ナノ
※タダクニが頑張る話


いつもいつも俺の彼女は俺に何故か女装を進めてきたりする。ちなみに極め尽けはコスプレだ。
でも彼女は俺にさせるだけで自分は何もしなかった。どういうことだ。だから今日は彼女に何かをさせる。絶対させる。

「タダクニー!」
「俺部屋にいるから」
「はーい」

歩いてくる彼女の足音と同時に紙袋のかさる音が聞こえる。今日こそは彼女に着させる。
襖が開き、彼女は笑顔を浮かべる。俺が好きになった笑顔だ。

「タダクニ!今日は!」
「名前、」
「何なんでそんな真剣な声で、私の名前呼んで…」

少し照れた、みたいだ。顔が赤くなっていてかわいい。

「あのさ、今日は」
「え、何、今日はメイド服だよちゃんとゴシックタイプ!え、カチューシャ欲しかった?」
「違うから!」

彼女は少しいやかなりずれている。むしろそれを名前に着て貰いたい。ゴシックタイプのメイド服。似合いそうだ。

「なあ、1つお願いしていいか?」

ごろり、と部屋の畳に寝転がっている名前をみる。

「なーに?」

くるり、と寝転がったまま俺のほうを振り向いて俺のほうをみる名前。いやでもあれだ。スカートが少しめくれて白い太股が見える。一応これでも健全な男子高校生だ。

「いや、なんで名前着ないのかなって」
「え、」

きょっとんとした顔を浮かべ、俺をみる名前。

「だってその服とか名前が着たって似合うと思うんだけど?」
「え、あ、でもタダクニのほうがかわいいし、似合うし…」
「いや、名前のほうが可愛いと思…っ、あ、いや、すごく似合うと思う」

つい、するりと滑ってかわいいと言ってしまった。いや、本当に可愛いとは思ってるんだけど。俺は先程まで目を合わせていた目線を外し、周りをみる。
大きく膨らんだ紙袋に黒い裾が見える。ああ、ゴシックタイプのか、と理解してしまう自分が少し嫌だが、あれを名前が着てくれたら、なんてそんなことも思う。

「…ね、タダクニ、さっきかわいいって言った?」

少し静かになった雰囲気で、名前は俺に問い掛けた。

「あ、うん」
「タダクニ、ありがと」

彼女のほうを見ると真っ赤になりながらもふわりと笑う名前がかわいくて、寝転がっている彼女をぐいと引っ張って起き上がらせて、抱きしめる。

「え、タダクニ!?」
「もう少しこのままでいいよな」

男の娘と言われるが、

やるときはやるんです


(タダクニ離して…?)
(やだ)




120306
タダクニはやるときゃやると思います




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