もじ | ナノ
テレビでいつもと同じニュースが流れている。

「モトハルくん、霊媒師って信じるー?」
「は?」

ちなみに私はモトハル姉の友人で今日は泊まりみたいなものだ。兄弟仲がいいのはとてもいいことだ。多分。主従関係にもみえなくもないけれど。

「名前さん、いきなりどうしたんですか?」
「いきなりじゃあないさ、ほら」

私はついているテレビを指差した。モトハルくんはそのままテレビを見て、ああ、とつぶやいた。

「いたらいいですけどいないですよ。そんなのいたら俺彼女がどうやって出来るか聞きますから」
「いやいや、若いから出来るって。そしたら私はどうして戦争が無くなるか聞くかな」
「壮大ですね」
「そりゃね」

テレビの電源をぷちん、と消して、思い出した。そういえば、私の知り合いのお母さんの友人が引っ掛かったんだよなあ…、こういう話に。

「モトハルくん、引っ掛かっちゃあダメだよ」
「何がですか…」
「そりゃあ霊媒師さんだよ」
「え」

まだその話続いていたのか、という怪訝そうな顔をするモトハルくんに私はもう一度気をつけなよ、と呼び掛けた。

「モトハルくんは優しいんだかさら」
「それをいうなら唐沢だ」
「ん?でもその唐沢くんをたしなめてるんだからモトハルくんも優しいんだよ、そういうモトハルくん好きだよ私は、うん」

唐沢くんは私の知り合いだったりしている。世間って狭い。

「え、名前さん、好きって…」
「モトハルー、モトハルー」

あ、お姉ちゃん下りてきたみたいだ。朝ごはんの準備しないとね。

「なんだよ、姉ちゃん」
「おはよ、ミノちゃん」
「おお、おはよう!朝ごはんはまだかモトハル!」
「作ってあるよ…」

ああまあでも一番解決して欲しいのはモトハルくんがミノちゃんの尻に敷かれてるっていうことかなあ。
まあミノちゃん小さい頃はモトハルくんで遊んでたって聞いたし、多分霊媒師さんでも解決出来ないよね。


解決してほしいのは




120224




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