もじ | ナノ
俺的にバレンタインデーなんて死滅すればいいと思ってる。
ああ、嫉妬だぞ?
共学校なら、友チョコや義理チョコなどくれる人はいるだろう。さすがに男子校は…ない。バレンタインデーでもチョコのにおいはどこにもしない。
悔しくなんかないぞ?ああ、そうともさ。

「タダクニ、ヨシタケ…チョコ、貰ったか?」
「母から…」「母親から」
「そうか。いいなあ、貰えて…」

そういったのは昨日のこと。
今日はタダクニはバイト、ヨシタケは用事でばらばらに帰る日があって俺たちはばらばらに別れていった。

「ヒデノリ、くん」

名前を呼ばれ、振り向くと女の子。あれ、俺の名前を何故知っている。

「タダクニくんの妹の友達です。はじめまして」
「タダクニの妹の友人か!はじめまして」

タダクニの妹は部活をやっているからな(多分)、友達が多いのも頷ける(多分)。

「で、ヒデノリくんに、これ。聞いたら昨日渡すと大惨事になるから次の日がいいって言われたから」

手渡されたのは綺麗にラッピングされた、おそらくお菓子。チョコなどと理解しちゃいけない。そう、チョコじゃない。多分。いやチョコなら嬉しいけど。

「…ありがと、受けとっておくよ」

手渡されたものを受け取り鞄に入れる。よっし、チョコ一個ゲットー!小さくガッツポーズを決めた。

「じゃあ、俺帰るから、タダクニの妹によろしく頼むな」
「わかりました。それでは」

俺は彼女と別れ、うきうき気分で電車に乗り、家へ帰ったのだった。


バレンタインデーの次の日の彼


(おい、あいつ女の子からチョコもらったらしいぜ)
(唐沢が見てたらしい)
(……殺るか)


120130 100のお題から



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