もじ | ナノ
あー…温い。やっぱこの席良いよね…。
学校の席と言えば、窓側暖房の隣だよねー…。






[ぬくぬく]





この時期は暖房の隣の席って特等席だよねー…。
もう、言葉使いもでろーんって感じになっちゃうよー…。
既にでろーんってなってるけどねー…。



「おい、名前。何やってんだよ」
「…んー?」
「こんな時間に寝ぼけてんじゃねーよ」
「ぐあ…ッ!痛いね、何するのよ!」
「だらけてる名前が悪い!」



机に伏して暖房の暖かさにうとうとしてたら、腐れ縁のギルベルトが頭を攻撃してきた。
痛い。手加減はしてるんだろうけど、そもそもの力自体強いのだからもう少し弱めてよね!
身体を起こして、叩かれた所を摩る。タンコブは出来てない、良かった…。
キッ、とギルを睨めば…んだよ。と人を馬鹿にするような笑みを浮かべやがった。



「自分こそ、暖房に座ってるじゃない」
「だらけてんのと、暖房で温まんのとはちげーんだよ」
「煩いなー。私だって温まってたんですー」
「あれでか?」
「あれでも!」



如何見ても温まっていたじゃない。
全く、酷いよ。あー…なんて言いながら、自分は窓の手摺りに凭れてだらけてるじゃない!
もう眠気はギルのせいで取れてしまったので、立ち上がってギルの隣に座る。
この暖房は横長なので二人座っても余裕がある。あー温かい…。窓の外を見るように手摺りから腕を投げ出した。



「名前」
「んー?」
「アイツ等、如何思う?」
「あいつらー?どいつらよ」
「校庭見ろよ」



どれ…と見ると、校庭は真っ白雪景色だった。うわ、マジか。暖房温かすぎて分らなかった。
その真っ白な校庭で騒いでいる人間を発見した。マフラーはしてるみたい。それでも寒くないのかな?
私は寒いの駄目だから、マフラーと手袋、コートに耳当てにカイロでやっと雪の中に居れるよ。



「俺はヒーローだからね、悪を倒さないと。くたばれ、アーサー!」
「アル、てめぇ…っ!大英帝国様をなめんじゃねー!」
「痛っ!ちょっと、お兄さん本気で怒るよー!?」
「あははは!フランシス、顔面直撃やんけ!ださいで?」
「アントーニョ、寒いんだよコノヤロー」



なんというメンバー…そして、そのメンバーで雪合戦…。わけわかんない。
偏西風の影響で雪の降らなさそうな国だから、雪が珍しいのかな?
でも、アルのとこは広いから雪なんてちょっと北に行けばいくらでも…。
んー…暖まって頭使うと眠くなるから考えるの止めよう…。



「…寒い中で良く遊べるね、私には無理」
「だよなー…。俺も無理だな」
「アンタのトコも寒いじゃない」
「名前、お前バカだろ。雪まで降らねーよ」
「うわ、ギルにバカとか言われたら終わりだし!」



そんなこと言うのはこの口か、あぁ?って頬を引っ張ってきた!
痛いって!何、今日のギルSいよ!放して!とギルの手を弾く。
絶対赤くなってるであろう自分の頬を摩る。痛い。マジ許さん。
暖房を下りて、笑みを浮かべてギルの前へと歩を進める。



「ギル」
「あぁ?なんだよ、名前」
「いってらっしゃい」
「は?…てぇー!?」



手摺りに凭れてたギルを思いっきり押してやった。
ギルはバランスを崩して窓から転落して、地面にボスッと良い音を窓の下でたてた。
死んではいないと思うけど、心配で窓から顔を出して覘くと雪まみれで
「名前、てめぇ!!!覚えてろよ!」とギルが叫んでたから、笑ってあげた。









  【少し頭を冷やしてきてね】



      (頭冷やす前に風邪引くだろ、このバカ名前!)








(ギルー?何してん?)(あ?何だ、よっ………)(ははは!顔面!ギルも顔面直撃しよった!)
(アントーニョ、てめぇ!)(全く、煩いんだぞ!)(お兄さんの攻撃受けてみなー!)
(うっせぇ!其の髭、埋めてから引っこ抜いてやる!)(寒いから帰るからな、バカアントーニョ!)
(よくやるよ…もういい年してんでしょーに)(おい、名前!てめぇも下りて来やがれ!)


090901
キリ番でTLRIY.様から頂きました。
こういうのいいですよね。


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