もじ | ナノ
にやり、と私の彼氏は女の子を見てほくそ笑む。うん、気分悪い。

「はやく爆発しろよ、廉造」
「んー、なんかいいましたか?」
「なんでもない、私勝呂のとこ行ってくる」
「おん、襲われへんようになあ」
「お前じゃないんだから」

廉造と別れ、いつも通りの場所にいる勝呂にぶつかる。

「いでっ、ってお前か」
「お前って失礼な!」
「すまん、で、また用件は志摩か?」

私は勝呂に相談してる。廉造とこのまま付き合ってもいいのか、とか。本当に廉造は私のことが好きなのか、とか。

「で、今日は何用や?」
「また変な顔してたの」
「あんのあほう、どれだけいうても意味ないんかいな」
「へ?」
「ああ、こっちの話や」

今なんかものすごく勝呂さん怖かったんですけど。え、何。え。超勝呂さん怖かった。

「で、逃げてきたと」
「うん」

勝呂は眉間にシワを寄せ、うんうんと唸り始めた。

「勝呂、眉間にシワ寄ってる」

くい、とシワに指をさし緩める。うん、かっこいいのにもったいない。

「おおきに」
「いや、それさせてるの私だから。お礼言われても」
「原因は志摩やろ」

それは、確かに。

「お、今日はここにいはったんですか、坊になんかされへんかった?」
「するわけないじゃん、廉造じゃないんだから」
「そうやね」

勝呂はこの会話を聞いてまたしかめっつらしてる。ああまたシワ寄ってるし。

「勝呂、またシワが…」
「坊のことほおっておいて俺とどっか行きましょうよ」
「は?」

なんていったこいつ。

「だから、どっか行きましょ?」

ぐい、と手を引っ張られ、勝呂から離される。

「勝呂、ありがと!」

捕まれてない逆の手を勝呂に振り、私は廉造に連れてかれた。

「廉造、何?」
「俺の隣にずっといたって下さい」
「なにその締まりのない顔」

ええっ、と慌てる廉造に舌打ちをして、私は、笑顔になった。

「嘘だよ、あほ!ずっと隣にいさせてね」
「おん!」


にんまり顔に舌打ち

(あんまり他の女の子ににやにやしないでよ)
(やきもちですか?)
(違う!)



120129 100のお題から


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -