※夢主は受験生。
金造とは付き合ってる。
「やだ、やめて、やめ――…っ」
私は自分の叫び声で目が覚めた。ぞわり、と寒気がして手元にある携帯をとる。携帯にはアラーム時間を過ぎているよ、と出る光が出ていた。
それだけしかないのか、と一人落胆して、アドレス帳から一人の名前を出した。怖すぎて、誰かの声が聞きたかった。起きているだろうか。時刻は9時30分、仕事があれば起きている時間だろう。私は勢いよく電話番号を押した。機械的な音が耳元に響き、彼の声を待つ。出てほしいなと思いながら迷惑じゃないかなと考えて、切ろうとしたらカチャと取られる音がした。
「もしもし?金造?」
「なんや、いきなりびっくりしたで!」
明るい声、聞きたかった声。私は安心感を感じ、嗚咽を漏らした。
「っ、え、名前!?どうしたんや!」
「夢、見て…怖くって、ね。金造の声聞いたら安心するかなあって電話かけて本当に安心しちゃって…」
「どんな夢見たんや」
真剣な声色になった。私は少しずつ、その夢を思い出していった。
暗い道、私は金造と別れ歩いていた。勿論、私はご機嫌である。金造と一緒にデート出来るなんて私には余裕はなかったのだが、気分転換として付き合ってくれたのだ。もう少しで家につく、というところで私は何ものかに首を締められた。嫌だ、やめて、と抵抗するものの意味はなく私はその中で死んでしまった。
「追い詰められてんやろな」
私の話を聞くと、金造はぽつりと呟いた。
「名前はあんまり追い詰められてるって気ぃしないと思うんやけど、身体的には色々と追い詰められてるんやない?無理すんなとは言わん。頑張れとも言わん。ただ自分の実力を信じてやりぃ」
金造の言葉は暖かかった。
「うん、ありがとう金造」
「また変なことあったら電話しいや」
そういって、電話を切った。
追い詰められているという気はしなかった。
みんなから勉強、勉強、勉強、と嫌々ながらもやっていた。
私は金造の声を聞いて安心したからか、欠伸を漏らした。
今ならいい夢を見れそうだ、と思い二度寝をした。
111210
今日の私の夢です。実際。
前回の受験時は刃物に刺されましたが今回は首締めって…。