もじ | ナノ
『何も間違ってなかったんだよ』

そう言って彼は、振り返る。間違えだらけだって自分自身わかっているはずなのに。どういうことなんだろう。

『ねえ名前ちゃん、そうだよね』

私に意見を求められても困る。やめて欲しい。球磨川さんは括弧つけて話すからたまに意味がわからない。いやいつもわからない。でも気持ち悪くはない。多くの人は気持ち悪いといって球磨川さんから離れていく。別に気持ち悪くもなんともないと思う。普通のただの男の子だ。いや間違えた。普通ではなく変態なただの男の子だ。

『名前ちゃん?』
「なんでもないです」

語尾が小さくなってしまった。元から小さいのに嫌だなあ。
でも球磨川さんは気にしないでくれている。

『そっか』

笑顔で受け答える球磨川さん。彼の笑顔には他に何が隠れているんだろうか。


何もかも間違ってますよ、といえたらよかったのに。

そんなことを言えるほど私には勇気がない。



111111

初めだか夢。
球磨川くん好きですがだんだん変態ですよね。


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -