もじ | ナノ
※既に付き合ってます、主は塾生徒じゃないです



ちょっと待ってな、も言わずにメールが途切れた。廉造のことだから途切れるときは何か残してから途切れる。あと10分以上空くことなんて有り得ない。

「どういうことなんだろ…」

お風呂に入る時なら、
[名前ちゃん、一緒に入らへん?流しっこしよーや(笑)]
と顔文字か絵文字辺りがつくメールが来るので、断りのメールを送り、私もお風呂へ入る。それくらいメールを頻繁に交わしていた私達だが、最近よく途切れることがある。まあエロ本見てた、とかそれで……まあ何かしてたりとかはまあ男に産まれた性だから仕方ないとしてもだ、怪し過ぎる。でも私から催促のメールは送れない。束縛なんかしたくないし。時間は夜中。私は多分今日は来ないだろうと思い、携帯電話の電源を切った。

――――

朝、携帯で設定したアラームが鳴り、起きると新着1通。時間を見ると寝た後ちょっとすぎ。やってしまった、と内心思いながら返信。下らない内容だって私は幸せな気持ちになるんだ。
学校は同じでもクラスは別。私立だからか、クラスの量が多く、生徒数も多い。その中で私と彼が出会えたのは奇跡なのかな、とロマンチックなことを考えふるふると頭を振った。
彼はナンパの人として女子内では有名だったのに、私にはナンパをしなかった。その代わりに真っ正面から言われたのだ。放課後の中庭で、

「好きや、付きおうてくれへんか?」

そのとき、私は彼が遊び人なのを知ってはいた。でも、瞳を見る限り遊びではないのかと思い、返事をした。
それが数週間前。
彼は帰りが極端に遅いらしく一緒には帰れない。だからよく寝る前にメールを交わしていた。それが私と彼の唯一の繋がりだったから。付き合った当初はよくメールを返してくれていた。でも最近は互いが忙しいからか、メールも電話もない。会いに行きたいけれど行けない。そんな苦悩をしながら、私は携帯を開きボタンを長押し。気になり過ぎだ、と言われるけれど彼が誰かに取られるんじゃないかと心配だった。
授業も終わり、帰り支度をしていた私は友人に呼ばれ、クラスの出入口へ連れていかれた。

「名前ちゃん、一緒に帰らん?」
「か、帰る!ちょっと待ってて!」

いつもと違う。彼が迎えに来てくれるとか、うれしい。友人に礼をいい、出入口へ向かう。そんな彼は私を見て微笑んでいた。

「名前ちゃん、」
「何、志摩くん」

気を抜くと口許が危ない気がして、きっと一文字に結ぶ。嬉しい。

「そな緊張せんでもええよ…?」
「し、してなひ…」
「かいらしなあ…」

彼は私をからかっているんだろうかと疑問を持ちながら、ゆっくり一緒に歩いていた。

「名前ちゃん、これあげるわ」

そういって差し出しのはストラップ。ちょっと志摩くんに似てて笑ってしまった。ピンク色…。

「いっつもメールとかばっかりで堪忍な…、でもなそれ付けといたら、俺のモンって印になるやろ?やからつけて欲しいな、って」
「あ、ありがと…、嬉しい」
「やっぱりかいらしいわあ…」

そういって志摩くんは手を広げ私をぎゅっとしてきた。あわあわと慌てている私とにこにこと笑っている志摩くん。そんな日々がこれからも続いていくのかな…。


新着確認、思いの確認

(やっぱ名前ちゃん好きや!)


111101
つい確認しちゃう乙女!



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