相馬さんはおかしい人である。
普通は何かしら愚痴ったりするものなのに何もいわないし、むしろ仕事をしない。働いてるんだから仕事をしろという話だが。
「名前ちゃんさぁー」
「なんですか、かわいそうまさん」
「あ、葵ちゃんに言われたんでしょ。大丈夫俺それくらいじゃめげないし」
そうですか、と私は無視。
無視が1番だ、と佐藤さんに教わった。
「名字さん、10番テーブルのお客様…」
「わかった、まひるちゃんはお皿とか整理してて」
私とまひるちゃんが逆になると、いつの間にか相馬さんはキッチンの奥へ行き仕事をしていた。
「変な人」
「ひどいなぁ」
私の呟きは誰かに聞こえていたらしく赤面。
「なんだ相馬さんですか」
「なんだ、ってひどいなぁ」
絶対にそう思ってもない笑み。だから私はこの人が苦手だし、嫌い。
「でもまあ、君に言われないとなんか変な感じはするけどね」
「かわいそうまさんなのはわかったので、さっさと仕事しろ。佐藤さんが…」
「わああ、佐藤君、ごめんね!」
どういう意味ですか、なんて聞けなかった。
だけだなんて嘘をつく
私だけじゃないんでしょう、その言葉は
111019
初相馬さん夢
むずい…