もじ | ナノ
カシャリと写真の音がした。それも学校内で…、私はその音を嫌々ながらもよく聞いていた。

「康太、カメラ貸して」
「………ない」
「嘘つくなら、私が変わりに康太撮って売りさばく」
「………!?」

驚いているようだ。Fクラスの男子は馬鹿だが割と顔がよかったりしてる。まあ顔がよくなかったらモテないか、と吉井を思い浮かべた。あいつは2人からモテてるが鈍感だからな…。でまあこの写真を撮っている彼は地味に、ものすごく地味に人気があったりしている。顔可愛いほうの部類だから愛でたくなるのかはわからないけど。

「………名前には敵わない」
「何年一緒にいると思ってるの」
「…5年」

以外と腐れ縁である。気がつけば私は彼に写真を撮られていたし、私は彼をひそかに撮ろうとしてカメラについて調べていたら何故か詳しくなってしまっていた。 カチャリ、といじり、少し細工をした。困ればいい、少しくらい。

「はい、康太」
「……何かした?」
「したはしたけど消してはない」
「…そうか…」

多分開けても、何が違うかわからないと思う。絶対わからないところに細工したし。

「康太」
「ん?」

名前を呼びシャッターを押す。彼と同じように細工したカメラ。
この写真は私だけのもの。


モノクロの彼に恋をした。

(これ、名前が…?味が出たからいいか)



111017

カメラのこと詳しくわかりません!



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