すぅっと大きな息を吸って、私は暴言を吐いた。彼の愛称を。彼や彼を知っている人がいたらすぐわかるだろう。
でも、今は放課後でほとんど人は残っていない。残っているのは多分先生や、補習中の学生だろう。一応私の彼は補習を受けるほどの馬鹿ではない。一部の友人は馬鹿だが…いやあほだが。
毎日、毎日ふそそそ言ってるのはただの馬鹿ではなくあほである。でも人の感情には敏感なのでそこまで強くは言えない。
バタバタとここへと上る人の足音が聞こえる。
先生が気付いて注意しに来たのだろうか…。
私は逃げるように、影に隠れた。
「…!?」
ここに来たのは、私の彼だった。
「おい、どこだ!お前がいるのはわかってんだ!」
そういいながらも自分の後ろを見ない。
私はそっ、と彼に近づき自身の手を彼の目元へと寄せた。
「だーれだ?」
声色を変え、ありきたりな質問をする。
「名前しかいねぇだろ」
「正解!」
そういって手をぱっ、と離す。当てられて嬉しい気持ちが8割、見つからなきゃよかったと思うのが残りの2割。
「で、今日はどうしたのギル。私になんか用?」
ギルは少し顔を赤らめながら、用事なかったら来ちゃいけねーのかよ…、と呟いていた。
私の耳はいいからね。かわいいな、ギル。かっこいいときもあるけど。
「いつ来ても私的に嬉しいから問題ないよ。今日補習でもあったの?」
「いや、アントーニョとか待ってたけど飽きた」
「補習組だったんだやっぱり」
軽くわらいあう。
どちらも次の言葉を待っている。言って欲しいけど、言わなくちゃいけない言葉。
一緒に帰ろう
110831
久しぶりに普夢。
キャラが迷子(´・ω・`)