どうして…こうなってしまったんだろう、と私は上にいる雪を見てそう思った。
上と聞くとなんだかやましい感じに思うが別段そういう訳ではない。断じて違う。
ついでに、雪というのは、奥村 雪男で私の彼氏(多分)であり、命の恩人であったりする。
しかし、今の状況はどういうことだろうか。
雪は私をじっ、と見詰めてたりしている。私は30秒で無理なのに…よく見続けられるものだよ…。
とりあえず一旦整理しよう。
そう、あれは私がお風呂から出たとき。ダイニングの机には、私が取っておいたプリンのゴミがおいてあった。(それも最後の1つでとても美味しいと有名な奴)食べたのは雪しかいないから、雪を呼んで問い詰めた。
よし、ここまでは整理できた。
「確かにプリン食べたけど…まずかった?」
私がどこでキレたのかはわからない。本当に。でも多分あのプリンの素晴らしさを言っていたような…?
そして、黙って聞いていた雪がイラッときて押し倒して…。
それで今に至る訳か。
ふむ、理解した。て、待て。
私はお風呂に入って出てきて、ゴミを見つけ雪を呼んだ。そのとき雪はどこにいた…。
雪はお風呂入ってくるね、と言っていたような…
ちらり、と雪を見る。
まだセーフ。ネクタイを取っただけだった。いやセーフなのかはわからないけど。
表情を見るといつものとってつけたような笑顔はなく、飢えた狼みたいな眼をしていた。そして口許だけ笑ってる。
雪は私が見ていたのに気付いた。
「なんですか名前?プリン以外のことなら聞きますよ」
「なら、上からどいて」
「嫌です」
それほどまでプリン嫌いか、雪は!
雪はどこうともせず、だんだん私に近づいてくる。
私は、流石に慌てながら雪を押し返す。しかし男女差か何かで意味がなく、逆に雪を煽るだけだったようでどんどん近づいてきて、雪の息が私の唇にかさるくらいになっていった。
私は、いつまでたってもどいてくれない雪に対して、いらつきを覚えていた。いや、逆に早くキスして、とも思っていたかもしれない。
「雪なんて、嫌い。だいっきらい。プリン食べやがって…食べたかったのに…」
雪は一瞬眼をまるくして、いつもの顔に戻す。
「私もあなたのこと嫌いですよ。とりあえず今度から名前を書いておいてください」
そう反論?し、軽い触るくらいのキスをした。そしてそのまま、首筋に口を寄せ軽いリップ音を出した。
「名前は私のですから。食べられないでくださいね」
そういって、雪は私からどいて、風呂塲のほうへと向かっていった。
大丈夫です、簡単には食べられませんから。
私はとりあえず隠す為に絆創膏を探したのは言うまでもないだろう。
110826
初、雪男。
元ネタ。
ツイッターの萌えるシチュRTから