もじ | ナノ
※学園パロ


前の銀髪が揺れる。
カクン、カクンと一緒に首まで揺れる。
あぁ、寝てるよ…。
それも怖い、怖い先生の授業なのにさ…。

「おい、おいそこ!」

居眠りをしている生徒に気づいた先生は、声をあらあげた。
あぁ怒ってるよ、先生。

「ギル、ギルベルト、ギルちゃーん?」

沢山のあだ名(名前も含め)を先生にばれないように呟く。
まだ起きない。
どんだけ寝てんだこいつ。

足を伸ばして、彼の椅子を下から蹴る。
ガンッ、と音と同時に彼の身体が跳ねる。

くるり、と後ろを向き私の名前を呼ぶ。
「何すんだよ、名前」
じゃないっての。

「おい、ギルベルト。私の話を聞いてたのか…?」

先生の迫力(言葉)で気づいたのか、先生のほうを向く。
顔、引き攣ってるんだけど…!!

口元を押さえ、彼を見る。
彼はこちらを一瞥して、チャイムと同時に職員室へと連行された。



「ったくなんで名前教えてくれなかったんだよ?」

「教えたけど、起きない本人がわるい。反省しろ」

教室に戻ってきた彼は不満を私に零す。
反省の色が見えやしない。

「なっ、ならよ…!」

彼が言いかけたときにちょうどチャイムが鳴った。

「はいはい。わかったから」

そういって私は、ノートを渡す。
彼が寝ていたときのノートだ。

「いっいや、そうじゃなくて、だな」

「使わないの?」

いや、使うが、といって彼は私の手からノートを取った。

「で、ギルベルト何?」

「あっ、あのな…!」

じっ、と彼は私を見る。
それを私は見つめ返す。

「うがあああ!とりあえず謝る。すまん!!」

そういって彼は私に顔を近付けて、…――。

卑怯、だ。
卑怯だ。卑怯すぎる。
なんなの、いきなり、なんなの!!

そして私はパニックになっていた。
授業なんて頭に入らない。

「ギルベルトの、ばかやろ」

小声で呟く。

カタン、と前の椅子が揺れる。
そして、手が私の机までのびてくる。
彼の手元には、小さなノートの切れ端。

私はそれを受け取って、見て、返した。
顔赤くなってなきゃいいけど…。



順序を間違えた


110804
多分割と前に書いたものを大幅変更しました。
ギルちゃんは居眠りするけど成績はいいと思ってる。



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