もじ | ナノ
シャーペンの音が教室中に響く。
ああ、緊張する。
何もありませんように、と私は願う。
前の人は頬杖をついて、外を眺めていた。
余裕、なのかな。
うらやましいな。
じっ、と前の人を見ていたら、視線に気付いたらしく目だけを動かして私を見た。
そして、にやりと口元を歪め、机に突っ伏していた。

「あと5分。しっかり名前書いたか確認しろよー」

先生が5分前を知らせてくれる。
私は名前を確認し、少し見直してシャーペンを置いた。
まだやってる人もいるみたいだ。

キーンコーン… チャイムがなり、一斉に溜息が零れる。
そして、解答は回収される。

「はあ、終わったあ…」

私は溜息をつき、机に突っ伏した。

「疲れているのかい?」
「疲れたよ!あのテスト本当わからない!」

あ、誰だかわからないまま返答してしまった…
まあ、いいか

「ククッ」
笑い声。
嫌な笑い方。

「名前って面白いね。興味持ったよ」
「は…?」

私的にはまだこいつの名前を思い出せなかっただけなのにこいつはぺらぺらと一方的にしゃべくり倒す。
ああ、つまらないや。

「名前」

真剣な声で名前を呼ばれた。
突っ伏した顔を上げ、声の招待を暴く。

「…え、折原君」
「なんだい名前?」



テスト中の、



「勉強教えて」



110418
絶対に臨也は勉強できると思う。


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