「いーざやさんっ」
彼女は、満面の笑みで俺を見ていることだろう。
いつもなら、なんだい名前?と聞いて抱きしめている。
しかし、今俺はベッドにダイブしている。
そう、つまり俺は名前を抱きしめることができないのである。
「…臨也さん寝てる…?」
そうそう寝てますよ、と狸寝入りをしてみる。
さて、どんな反応を見せてくれるんだろう。
名前の反応はありきたり。でもそれだからこそ可愛いと俺は思うんだよ。
今はそのあきりたりな反応をしっかり見せてくれる子がいないからね。
おふざけしてもいいんだけど、やっぱりこういう反応を見てみたいし、だからこそ今俺は狸寝入りをしているというわけなんだよ。
「臨也さん…?」
心配そうな名前の声。
「…寝てる…かな?」
そっ、と俺の近くに来る名前。
「…臨也さん…好きです」
そして名前は唯一外に出ていた手の甲にキスをした。
笑みが止まらない。
「…名前、それ本当?」
「…っえ!?あー、えーとえーと違いますっ」
そういって名前は逃げていった。顔を真っ赤にして否定されても
ばればれだよ。
110405
お題サイト:確かに恋だった から
BGM:え?あぁ、そう(臨也替え歌)
ありきたりですみません…orz