もじ | ナノ
※刀剣乱舞の堀川国広くん
女の審神者さんです。
名前変換仕事しません




兼さんも、主さんもどこへ行ったのだろう。堀川国広は左右をきょろりと見渡した。しかしいつもと変化の無い日本庭園。奥の橋では今剣が楽しそうに橋の上に立っている。
カランカランと下駄が音を立てながら楽しそうに、悲しそうに橋の上を渡る。
最期のときまで義経さんと一緒にいたのね、と主さんがにこやかに今剣の頭を撫でていたことを思い出す。

「主さん、どこにいったんだろう。この空いた時間がもったいないな………」

奥ではやはり今剣しかいない。ならば、と奥にある主さんの自室を開ける。

「あれ、ここにもいない?」

おかしいなあ、と堀川国広は頭を傾げた。いると思ったのに、どこに行ったのだろうかあの奔放な主さんは。あの人は神出鬼没で、何を考えているのかわからない。
出入り口の方から五虎退と鳴狐の声が聞こえて、その後に主さんの声。
どうやらあの主さんは違う隊を引き連れて何処かへと向かっていたらしい。

「ん?あ、国広!怪我大丈夫だった?」

こちらに気付いた主さんは僕に駆け寄って一言。怪我、とは言ってもすぐ治るような擦り傷程度のもの。

「これくらいは大丈夫ですよ」
「そっかそっか、ならよかった。国広は僕の始めてだからね、大切にしなきゃって思ってついつい過保護になっちゃってるんだよなあ」

この人は考えていることがすぐに声に出る。前々から言っているのに治る気配がない。多分これは無意識なのだろう。

「主さん、今日はどうしましょうか」
「そうだねぇ、国広。まずはさっき遊んできた刀たちの怪我の手入れをすることから始めようかな、」

怪我の手入れとは言っても主さんは全てはできない。適材適所がある。

「五虎退、鳴狐、とりあえず虎と狐は別で消毒するから僕にかして」
「鳴狐の狐をとるのですか主様、そんなことをしたら………っ」 
「………………はい」

主さんは刀を直せない。刃こぼれしたものなどは難しいのだ。下手なことをしたらもっと状況が悪化する。
主さんは汚れを拭いたりすることはしているが実際のところは僕たちと作戦会議をしていたりするだけなのだ。

「国広、次は隊長でよろしく、兼さん探しに行こっか」
「は、はい!」

五虎退の虎を拭いたり毛並みを整えたりとしながら主さんはそう僕に語りかけた。

150117
pixivにもあげました。
こんな沼だとは思いもよりませんでした。


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