もじ | ナノ
相談をして、ちゃんと答えてくれた唐沢さんに惹かれ始めたタダクニ妹の話。


唐沢さんはよき相談相手である。ちゃんと私の話をきいて理解してくれるし、お兄ちゃんたちのことも相談することが出来る。なんていい人なんだろう。
そう、最初は憧れだった。いつも帽子を被っていて、その理由はお兄ちゃんも知らないけれどその白い帽子を見ると唐沢さんだ。とふと思ってしまうのだった。先日は間違えて、白い帽子を被っていた眼鏡(ヒデノリ)に騙されたけれど、今回はそうもいかない。私はこの今の気持ちがなんなのか聞きたいだけなのだ。

「失礼します」

お兄ちゃんの携帯を勝手にいじくり、唐沢さんと連絡を取り合った。むしろ勝手に赤外線でアドレス帳にいれた。それをおそらく知っていたとしても唐沢さんは何も言わなかった。そして、メールで約束したのだ。「明日、相談にのってもらえませんか?」と。ちなみに休日は無理だといわれたので、平日に移動。一応水曜日に約束を取り付けた。どうせお兄ちゃん達は私の家で何かしているだろうし、聞かれることもないし好都合だ。

「ああ、妹。よくきたな」
「まあ、約束したの私からですからね」
「そうだな」
唐沢さん以外にモトハルさんもいて、ちょっと驚いたが問題ない。

「そうだ、唐沢。お金は取らないのか」

ふと、モトハルさんが唐沢さんに問いかけた。

「ああ、こいつはタダクニの妹だからな。知り合いだし、妹から巻き上げるより兄から巻き上げたほうが問題はないだろう。あいつバイトしてるし、金には困ってないとは思うぞ」
「確かにそうなるな。じゃあ妹は特別ってわけか」
「そうなるな」

特別。そうなのか。私は他の子とは違うのか。と少しだけ嬉しくなった。とりあえず兄には手を合わせておこうとは思っている。

「で、今日の相談はなんだ」
「恋愛相談でも大丈夫ですか」
「ああ。まあ的確なアドバイスは出来ないが」
「大丈夫です」

私は了承し、相談事を持ちかけた。

「それは…普通に片思いじゃないか?」

話を聞いていたモトハルさんは、言葉を発した。…片思いか。そうか。

「そうだな。相手を問い詰める気はないから安心しろ。今日は遅いし送る」
「いや、いいですよ」
「少しばかり力が強くてもお前は女だろう。送るから少し待ってろ」

モトハルさんは先ほどまで私が飲んでいた紅茶を洗っている。本当に家事が得意なんだなあと改めて思った。手際がよすぎるのだ。モトハルさん。まるでお母さんみたいだ。

「じゃあ帰るか、妹」
「あ、はい」
「モトハル、鍵は頼んだ」
「わかった」

荷物を持ち、扉を開ける。そして、早く来いとせかされる。
私の気持ちには気づくことはないだろう。どうせ唐沢さんも鈍感だ。だからこそ、私はゆっくりゆっくり唐沢さんに近づいていこうと決めたのだった。


相談聞いてくれますか?
(妹、タダクニをよろしく頼む)
(唐沢さんそれどういう意味ですか)

120420 
某ぴく●ぶから移動

唐沢さんとタダクニ妹の二人組かわいいと思うのですが私だけだろうか。



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