りんごちゃんがちょっぴり気になっていじわるしてしまう会長の話。
ちなみに会長視点。
最近よく彼女はこの生徒会室に来る。誰かしらのことが気になってきているのだろうか、なんていつもの俺らしくないことを考える。そうだ、この子に俺は文化祭のときにぼこぼこにやられたんだ。気になり始めたなんて、そしたら俺はただのMか。なんて、。
「お邪魔するわよー!」
「ああ、りんごちゃん…さん。今日はなんの用件が」
「得に無い!暇つぶしに来てやったわ」
嬉々として笑顔を浮かべる彼女。でもその表情は少し曇っていた。どうしたのだろうか、なんて気になるけれど何も聞かないことにする。また殴られたりするのいやだし。
「よくいらっしゃいましたねー」
にこり、と笑みを浮かべる。まあうちの男子校では彼女に喧嘩なんてふっかけたら意識がなくなる、と言われているくらい怖がられているので、いやな顔なんて見せられるはずなんかない。
「会長、見回りいってきます。その間りんごちゃんを頼みます」
「あ、俺も」
副会長とモトハルがいなくなって二人きり(ちなみに唐沢は休みだそうだ)になる。女子高校生と二人きりというのは男子高校生にとってありえない。まあうちが男子校だからそれなだけなんだけれど。
「ねえ、…この前は悪かったわね」
「この前っていつのことです?」
数分たち、彼女は副会長に出された紅茶をすすりながらぽつりと呟いた。あらかた、文化祭時のことを謝っているとはおもうけれど。…ああ、これか。これが今日彼女の表情が曇っていた理由だろう。おそらくだから確証はないが。なんて簡単なことだろう。
「この前はこの前よ!」
「そういわれてもわかりませんねぇ」
今自分の顔は無表情を装っているだろう。内心にやけてたりしているのだが、それをおおっぴらにはしたくないし。まあ彼女みたいに感情表現が豊かなのは見ていて面白い。
「うー、最悪。謝りになんて行く気なかったのに」
ぶすり、と頬を膨らませて、文句をいう彼女が何故だかどうしようもなく可愛くてぎいと自分が座っていた椅子から下り、彼女の目の前に立つ。そして、つんと膨らんでいる彼女の頬を押した。すぅと空気が抜けていく音がして、また彼女は頬を膨らます。何度も何度も同じことを繰り返す。
「なんなのよ!もう!」
「やっと、こっち見ましたねー」
にこり、と笑みを見せ怒っている彼女に近づく。
「りんごちゃん、俺はね謝ってほしいわけじゃないんだ。でも、怒った後に笑顔を見せてくれないかな、俺りんごちゃんの笑顔可愛いから好きだ」
「なっ」
俺の発言に対して真っ赤になってしまった彼女は「りんごちゃん」というあだ名の通りりんごみたいに頬を染めていた。
好き嫌いなんてそんなもの。
(いきなり何いいだすのよおおお!!)
(ほらほら怒らない怒らない)
120402 某ぴく●ぶから移動
口調迷子。でも会長さんはりんごちゃんの前だとかっこよくあって欲しい。(願望)