※ネタ提供、ろくたさんから
彼がリップクリームを取り出して塗るところを見ていた。どことなくちょっと変態くさい彼の行動が移ったのではないかと考えたがそういうことにしよう。
「なあ、志摩」
まだリップクリームを塗りながら彼は俺のほうを向いた。目線が合う。俺は少し堪えられなくなって目線を少し上に上げた。ちょっと負けた気がする。
「なんや奥村くん」
カチリ、とリップクリームの蓋を閉め笑顔を向けた志摩は何故かすごく様になっていて、少しきゅんとなった。気のせいにしたいが、多分無理だ。ちょっと顔赤くなってそうだ。
「ソレ、俺にも塗ってくんねーか?俺塗ったことねぇからどんなのだか体験してみてぇんだ」
実際、塗った思い出は全くと言っていいほどない。家は男ばかりだったし、親父の客が稀に塗っているところを見るだけだった。百聞は一見に如かず、だな。意味合ってるのかわかんねぇが。
「おん、唇出してなー」
志摩に言われ、唇を前に突き出す。所謂あひる口みたいなものだ。彼は、閉めたリップの蓋をもう一度開け、捻り中身を少し出した。顔が近付けられ、何されるかと身構えていたら、リップを俺の唇へ寄せ塗ってきた。顔近いのは気のせい、だよな。あとちょっと顔が赤い…頭の色が頬に移ったのかと思うくらい赤い。
「奥村くんて、リップせんでも普通につやつやしとるから塗らんでも平気……――」
いきなり言葉が途切れ、彼の言葉を思い出し俺の顔に血が昇る。恥ずかしい。いつも見られてたりしてたのか、そんなにこいつキスしたかったのか、いやでもよくキスはされていた、ぐるぐるとよくわからない感情が渦を巻き、また顔に血が昇る。最悪、志摩のせいだ。
「お、終わったで」
未だに少し赤い志摩と多分すごく赤い俺。カチリとまた蓋を閉め、俺を見る。あ、お礼言ってない。
「ありがとな、志摩」
頑張って笑顔を向けると、志摩の顔が一段と近くなった。どういうことだと慌てて、でもいきなり近くなった志摩を見て、ぎゅと目をつむる。
少し重なった体温を感じ、目を開けた。まだ目の前には彼の顔があって、さっきまで何をされていたか思い出せる。何やってんだ俺。
「奥村くんが悪いんですえ?」
何かしたかと彼を見る。目線を反らされ、肩に顔が置かれる。近い、近い。やめろ、心臓に悪い。
「そんなかいらしい姿で俺を見たのが悪いんや、やから俺は悪うない。奥村くんの自業自得や」
耳の近くで呟かれ、吐息があたる。少し湿った吐息を感じ、俺はまた顔を赤らめたのは言うまでもないだろう。
りっぷくりーむ
(つーかこれ間接キスじゃねぇか!!)
111127
ネタを盗んできました。有難うございました。
実際とは少し違いますがあまり気にしないで下さい。
以下読まなくていい何か
燐の独白気味にしてしまて、やってしまった感がああ。
朝って怖いよね、寝起きだもん。まじ寝起き。
実際廉造視点とかのほうがよかったのかと悩むけど方言きついからもういいかと(以下略)