「俺は人間を愛している!人を愛して、愛して、愛してやまない!だからこそ…っ」
くるくる、と仕事で使っている椅子を手を使って回す。仕事用PCの壁紙は少し照れ気味のシズちゃん。俺はそれを見て、電源を消す。
「だけど、シズちゃんは大嫌いだ。死ねばいいのに。死なないなら俺が殺してやったっていいのに…」
音を立て歯ぎしりをする。どうやったらあいつ死ぬんだろ。ナイフ、拳銃、罪歌、いやどれもダメだ。事故、いやむしろ襲わせた方に被害がでる。
家の玄関が揺れる音がした。…チャイム押せよ。むしろ弁償しろよ。誰だか理解はしてる。波江さんなら普通に入ってくるし、あいつ以外はちゃんとチャイムを押して入ってくる。…扉、壊れなきゃいいな。そんなことを考えながら俺の足は玄関のほうへと向かっていた。
「いらっしゃい、シズちゃん。今回は扉壊さなかったね」
一目彼を見て悪態をつく。そして俺は自室へ戻る。いつも通りのはず…だった。
そのはずだった、のにも関わらず俺はまだ玄関にいて、上を見上げるとシズちゃんの顔がドアップ。頭ぶつけてやりたいくらいだ。
「なぁ、さっきまで俺のこと言ってた、よな?」
シズちゃんは俺に人の悪い笑みを見せる。それは俺の笑顔、とでも言いたかったが我慢。とりあえず現状況的にごまかしてこの腕から逃れるしかないだろう。そう思って口を開くと、
「お前、ごまかす気だろ?」
とシズちゃんの言葉に遮られた。バレた、と思い上を見上げサングラスで隠れている瞳を見る。
「やっぱり俺のこと言ってたんじゃねぇか」
そう言って彼は笑う。その笑みは俺にとっては強烈な一撃で、顔に血がのぼってしまった。
「真っ赤だな、」
また、笑う。
「シズちゃんの笑顔が気持ち悪いだけなんだよ、この化け物が」
「それ遠回しに俺の笑顔に弱いってだけじゃねぇか」
悪態をついても悪態で返ってくる。
「しねばいいのに」
「俺が死んだらお前泣くだろ?」
想像しただけで泣けてくる。俺はくるり、と反転し彼の服へ顔を埋めた。
110921
手直し等しました!
授業中書いてたとかまさか。