もじ | ナノ
「何をやっているの?」
遠い昔、私は貴方に聞いたことがあった。
貴方は決まりきったように
「菊には関係ないことある」
と言い捨てる。
関係ない?私と貴方は"家族"というモノではなかったの?

月日は過ぎ、"家族"ではなくなった私達。
私は貴方を傷付けたくない。でも、時間は許してはくれない。
「わん、さん」
私は彼女の名前を呼ぶ。彼女は目を見開く。しかし、きつく私を睨みつける。
「お前になんか、名前呼ばれたくないね。さっさと消えろある」
強がり。貴方は涙を流すのを我慢しているからきつく睨んでいるのでしょう?わかって、いるからこそ、私は貴方を傷付けたくない。早く、逃げてください。
「お前は菊じゃね―ある」
「何を言っているのです?私の名は本田菊ですよ」
「前の菊じゃね―ある」
「…そうですね」
早く、逃げてください。
戦争から、逃げてください。
傷つくのは私だけでいいんです。
貴方が傷つくのは見たくはない。だから、早く。
お願いだから。
願いが叶ったのか、よくわからないが、彼女は足早に去っていった。意味深な言葉を残しながら。
「今度、お前に会う時は戦場ね、覚悟しとくある」
…貴方とだけはやりたくなかったのに…。
だから、突き放したのに。

わんさんの、馬鹿。




090927

友人に書いてといわれたので
考え用には戦争前ですね


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