もじ | ナノ
「なぁー、親父ー、親父ー」
俺は親愛なるフリッツの名前を呼んだ。
しかし、返事がない。
「……お、やじ?」
コンコン、と親父の部屋(書斎)まで行き、ノックをする。
……ノックをしても気が付かない。
何処かにでもいるんだろうか?
使用人がとことこと歩いているのを見かけた。
「…!おい、そこのお前!」
そいつは俺のことを無視して親父の部屋へ入っていった。
怪しい、というか、壁に耳をつけ聞き耳をする。
「フリッツ様…休みに…どうですか…」
「…これが…たらな。…そうだ、扉にくっついて…あげてくれ」
嗚呼、一人楽しいなぁー、楽しいなぁー!
カチャリと、扉が開く音がした。
そこから使用人がでてきた。
コトン、と何かを置いた。
紙…である。
使用人は何故こんなとこに置かなければ?という顔をしていたが気にしない。
その紙には「うるさくしないならこの部屋へ入って来なさい」という文があった。
おぉ、親父、親父、流石だ。まぁ、一人楽しすぎるけどなっ!!
使用人が消えるのを目撃し終わってから俺は、親父の部屋へと足を踏み入れた。
「…ギルベルト…少しは静かにしないか…仕事がはかどらんだろう?」
プウン、と親父の好きなコーヒーの匂いがする。
「…親父!俺、仕事てつだ「いいからそこでじっとしてなさい!」
…怒られた。
別にいいじゃんかよー、手伝ってもよー。
プクー、と頬を膨らませ文句を言う。
「…まぁ、いい。とは言わないぞ」
あ、内心読まれた。
流石親父様だな!




それから、幾年かたった。
親父は、俺を大きな国へとしてくれた。
大好きだった親父。
いっつも膝の横に俺がいて膝枕をしてくれた。
文句を言いつつも俺の言葉を信用してくれた。
大好きな親父。
今でも好きな親父。
「親父……これからもずっと見守っててください」
俺は天に言葉を投げた。



090826

…あれー?甘い予定だったよね?ということですみません。
友人なのでジャンピング土下座します、っていったら本当にさせs(ry
ということで3000hitのリクエストありがとうございました!

しろ(彗)様以外お持ち帰り禁止です。


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