もじ | ナノ
コポポポポ、とポットがお湯を入れる音がした。
というか、今日はプーちゃんが
「一緒にあそぼーぜっ!!(俺の部屋で)」
と満面の笑みで言われて断ったら絶対面白そうやなって思ったんやけど雰囲気的(周りに生徒が大勢)に断れなくて…。
一人で行くとなんかつまんないからフランシスも誘ってみたら実はもうプーちゃんが誘っていたという吃驚する事実。

……あ、最初にポットのお湯出してんのはフランシスやで。
フランシスの入れた飲みもんは生徒会長の紅茶と同レベルぐらいの美味さでな…あっ、やべ、そういうあいつに注文してなかったわぁ。
そう思ってフランシスにいった。
「あ、俺にもいれてーや」
「…しょうがないなぁ、プー太郎のついでに入れてあげるよ」
…プーちゃんのついでやと!?
俺はプーちゃんのついでなんか!?
「俺はプー太郎じゃねぇ……」
あんまり関係ないことをプーちゃんは突っ込んでいたけど気にしないことにするわぁ。

ボーっと周りを見たらプーちゃんがニヨニヨ笑っているのを見て気持ち悪いなぁと思ったけどちゃんと忠告したんやで、俺いい奴やろ!
「プーちゃん、プーちゃん。しっかり現実見い」
プーちゃんは
「しっかり見てるから、見てる、うん。見てるぜ俺様超かっこいい」
とかぼやいてたりしてた。
…プーちゃん、お前ほんと普憫やっちゃなぁ、独り言激しいで。

ポットの音が響く。

フランシスは俺らの飲みもん作るのに忙しそうだったからプーちゃん弄りの話が出来んかった。
そしたら、プーちゃんがいきなりこんなこというてきた。

「…ポットでさあ、どれくらいの速度と圧力で押したら一度に沢山でてくるとかさー考えねぇ?」

シーンと静かになった。
俺はこいつ、アホや、まじでアホや!!と思った。
でも、「考えねぇ?」と質問されたのでしっかり答えてみる。
俺はプーちゃんのほうを向いて「考えねぇ」といった。
そしたらフランシスも同じだったようで、はもった。
その後フランシスはまた飲みもん作りに専念したようでズギャァァァ……というポットの音が響いた。
俺はつまんなくなったからまたボーっとプーちゃんのほうを見てた。
そしたらその本人もさっきの返答にぐっさりときたらしくブツブツ呟いてた。
「…だっ…計算…し……いつも…だよ…」
何言ってるかマジでわからん。
わかる単語は「計算」と「いつも」
…プーちゃん不憫やなぁ。
そしたら又いった。絶対ないっつーのに、懲りないやっちゃなぁ…。

「ええ!!考えるだろ、ふつー!!ポットでお湯とか出すとき絶対!!」

え?何言ってんだこいつというような目線をして批判した。
「いやいやいや、考えねぇ。普通にねぇよ!!というかおま、どんだけ暇人なんだよ!!」
…本当にこいつ俺ら以外に友達いないんじゃねぇかなぁと本気で思った。

* * *

フフフ、とフランシスが不気味に笑った。
「そんなプー太郎に極意を教えてしんぜよう」
「だからプー太郎じゃねぇって」
「…プーちゃん気にしない、気にしない」
というか、極意ってなんやろ。
そのことに関して俺とプーちゃんの上にはクエスチョンマークが飛び交っていたと思う。
「いいか……」
フランシスは1拍おいて真剣な表情でいった。
「考えるな。感じ取れ!!」
カッという効果音がなる感じにフランシスは言っていた。
ついでに手もビシッっと一点(ポット)を指していた。
俺は開いた口が塞がらなかった。


『……なんだこいつ……よくわかんないけど無駄に格好良い!!』

プーちゃんは、ワーとフランシスを拝めていた。
よく分からんと思った俺も真似してそれについてみた。
調子に乗ったフランシスが両手を上に上げてイェーといった。

この三人は気がついていなかった。
フランシスが"感じ取れ!!"と言っていたときに寮の扉が少し開いていて、そこからアーサーという天下無敵の生徒会長がいたことを。
天下無敵の生徒会長はポット談議をしている三人のことをアホだ…と思っていたことを。


その後、プーちゃんの寂しいポットは気温が上がるにつれ使わなくなり、今では押入れの中にはいっているという。



090803

なんとなくやっちまった感が漂いますねorz
ごめんなさい。親分わかりません。プーちゃんしか出来ません。
=仏視点もわからない・・・

…書いてくとどんどんプーちゃんが可哀相になってく、不思議っ!←


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