もじ | ナノ
コポポポポ、とポットがお湯を入れる音がする。
入れているのは俺じゃなくてフランシスだが。
「あ、俺にもいれてーや」
「…しょうがないなぁ、プー太郎のついでに入れてあげるよ」
「俺はプー太郎じゃねぇ……」

何故こいつらが此処(寮)にいるのか言うと長くなるから省略。
まぁ、省略って書いても書くのが俺様クオリティ。
流石俺様、かっこいいぜ!
簡単に言えば「つまんないから遊びに来させただけなんだけどな!!」ということだ。
そんなくだらないことを考えたりしているとアントーニョが
「プーちゃん、プーちゃん。しっかり現実見い」といった。
いや、ちゃんと見てるからな。うん。
ポットの音が響く。
こいつら二人は何故か飲み物を作っていた。
ふと、いつも考えていたことを思い出した。
「…ポットでさあ、どれくらいの速度と圧力で押したら一度に沢山でてくるとかさー考えねぇ?」
一瞬にして回りから音という音がなくなった気がした。
クルッと二人はこっちを向いて一斉に「「考えねぇ」」といった。
ズギャァァァ……というポットの音が沈黙を破った。
俺はいつもポットを使うときを思い出した。

………結果、計算までして考えている。

「ええ!!考えるだろ、ふつー!!ポットでお湯とか出すとき絶対!!」
え?何言ってんだこいつというような目線をされてから二人から一気に批判された。
「いやいやいや、考えねぇ。普通にねぇよ!!というかおま、どんだけ暇人なんだよ!!」
…暇人というのは批判できないが、普通は考えるだろと俺は思う。

* * *

フフフ、とフランシスが不気味に笑った。
「そんなプー太郎に極意を教えてしんぜよう」
「だからプー太郎じゃねぇって」
「…プーちゃん気にしない、気にしない」
というか、極意ってなんなんだよ。
そのことに関して俺とアントーニョの上にはクエスチョンマークが飛び交っていた。
「いいか……」
フランシスは1拍おいて真剣な表情でいった。
「考えるな。感じ取れ!!」
カッという効果音がなる感じにフランシスは言っていたと思う。
ついでに手もビシッっと一点(ポット)を指していた。
俺ら(俺とアントーニョ)は開いた口が塞がらなかった。


『……なんだこいつ……よくわかんないけど無駄に格好良い!!』

よく分からないまま、ワーとフランシスを拝めてみる。
それを見たアントーニョも真似してそれについてくる。
調子に乗ったフランシスが両手を上に上げてイェーといっていた。

この三人は気がついていなかった。
フランシスが"感じ取れ!!"と言っていたときに寮の扉が少し開いていて、そこからアーサーという天下無敵の生徒会長がいたことを。
天下無敵の生徒会長はポット談議をしている三人のことをアホだ…と思っていたことを。
その後、俺らのポットは気温が上がるにつれ使わなくなり、今では押入れの中にはいっている。




090803

すみません、すみません。
ちょっと短いよなって思ってなんか考えて(妄想ともいう)プーちゃん弄り開始しました。

ネタ使っていいですか?と聞いて「どうぞ」と優しく返答してくれた燐音様ありがとうございました。
そんな素敵な燐音様のサイトは此方からどうぞ。


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