深夜、時刻は既に日付が変わり3時間が経った頃。俺は眠れずにいた。恋人であるシズちゃんは、隣でぐっすりと眠りについていて、ふと笑みがこぼれる。相変わらず寝顔は可愛い。何より、シズちゃんが隣に居られることが幸せだった。
――最近、眠れるようになったと思ってきたんだけどな。
普段、自宅では睡眠薬を飲み寝ているのだが、シズちゃん家に泊まる時にはなるべく飲まないようにしている。
しかし、目を閉じても睡魔が訪れることはなく、諦めて朝まで起きてようか、と半ば本気で考えた。
――しょうがない。睡眠薬、飲んで寝るか。確か持ってきたポーチの中に予備の睡眠薬があるはずだ。そう思い、なるべく音をたてずに毛布をはいだ。しかし、

「臨也……?」
「あ…起こしちゃった、かな?」

どうやら、ベッドから降りた弾みで起こしてしまったらしい。ごめんね、と謝ると、シズちゃんはいや、とまだ眠気の残る目で否定した。

「……どうした?」
「――眠れなくて」
「…手前なァ、そういう時は起こせよ」
「えっ…でも…」
「抱きしめてやるから…」

迷惑じゃねえかとか、心配するんじゃねえかとか、思うんじゃねえ。シズちゃんはそう言って、俺の腕を引っ張り、ベッドに引き戻される。
しかし、さっきと違うのはシズちゃんの温もりに包まれてるということ。シズちゃんの胸にすっぽりと包まれている。
――あたたかい、
シズちゃんは俺が眠るまで頭を撫でていてくれて、その日は久々に深い眠り満ちた日だった。





20120107
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