おさけ | ナノ





お酒はほどほどに






「えへへへっ」
「……」
「しずちゃんとお酒なんて久々だねぇ〜」

べろべろに酔いながら、臨也は俺に話しかける。
今日は臨也の言うように久しぶりに酒を共にしている。ロシア寿司ではなく、俺んちで。
臨也はもともと酒が強いらしいが、俺は強い弱い以前に酒が苦手なので少量しか飲まなかった。
しかし、臨也はこれでもかというほどに酒を飲み、この有様である。「もう飲むのやめろ」と言っても、臨也は決まって首を横に振り「もうすこし飲むの…」と言って聞かなかった。

「しずちゃあん……」
「…くっつくな」

臨也はぎゅ、と腕と絡ませて、体を密着させる。相当酔ってんな、これ。さらに臨也は甘えるように、俺の体にすりすりと頬をすべらせる。
まるで猫のようだ。

「シャツ、しずちゃんのにおいする…、」
「手前のにおいは四六時中ぷんぷんするけどな」
「なにそれー」
「本当のことだろ」

そう言うと、臨也はクスクスと笑った。酒の力か素なのか、笑顔からはその毒が抜けている。いつもこんな笑顔を俺に向けていればいいのに。

「でもねおれ」
「………なんだ」
「しずちゃんのにおい、きらいじゃないよ」

臨也はふにゃりと笑い、俺はその言葉に呆気を取られていると、そのまま俺の肩を借りて眠ってしまった。
本当にバカだな、コイツ。
さて、"俺も手前のにおいは嫌いじゃねぇよ"そう告げて、コイツの様々な場所を嗅いでやったらどう反応するだろうか。
──楽しみだ。










20110810
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