先生っ | ナノ






気持ちはいつでも

・モブにモテてる臨也





――最近、酷くモヤモヤしていることがある。
原因は恋人である臨也。
(一応言っておくが、決して嫌いになったとかではない。というかそれは有り得ない)

実のところ、俺と臨也は同じ学校に勤めている同僚。
しかし――ここ数週間俺が気になっているのは生徒と、臨也との仲が良すぎないか。という事。
今現在、昼休みの職員室。
そう、この場所でもその光景が目について離れなかった。

「先生先生、髪切った?なんかまた綺麗になった気がする」
「あー言えてる」
「あは、もう。調子がいいんだから」

臨也が座る机の周りに男子生徒が何人か集まり、賑わいを見せている。
臨也はにこりと笑みを見せると、臨也の周りに集まるそな男子生徒は微かに頬を赤める。その光景を何度見てきただろう。
恋人としては嫉妬の嵐。
しかし当の本人はきっと生徒が臨也に気があることは気付いてないだろう。
アイツ自身は否定してるけど、すげー鈍感だから。そこが余計心配なんだけど。

「先生、明日こそ一緒に飯食べようぜ」
「そうだよ、昼くらい良いじゃん」
「えーどうしようかな」

臨也はちらり、と一瞬俺の方に視線を向ける。
実は、昼時はいつも臨也と一緒に飯を食べている。たまに弁当を作ってきてもらったり、作ったりして、自慢じゃないけどその時間がすげー好きだ。
ちなみに、その日課は今のところ誰にも譲ったことはない。
つまり昼時だけ独占しているということ。
そう思うと優越感が込み上げてきて、自然と頬が緩む。

「そういえば先生、手が綺麗だよな」

ある生徒が話を切り替える。どうやら臨也の手が気になるようだ。に確かにいつも女みたいに小まめに手入れしていて、俺自身もその手が好きだ。

「そうかな…ありがとう」
「指も細いし可愛い」
「つか手ちっちぇー」
「こら。その言葉は余計でしょ」
「褒めてんのにー」

男子生徒は臨也の手をベタベタと触り、ある生徒は臨也の手を口元に近付けたりして、俺の苛立ちを刺激する。
しかしそんな行動にも臨也は対して気にする様子もなく、呑気に「そんなに触られるとくすぐったいんだけど」なんて言いながらそれを止めない。あーもう。

―――んな触んじゃねえ!

気が付いたらバン、と机をたたき付けていて「授業始まるから教室帰った方がいいと思うぞ」と生徒を睨みつけながら(引き攣った)笑顔言うと、生徒は驚いて駆け足で教室へ戻って行った。
やっちまった、と気付いた時にはもう遅く、臨也は俺のことをぽかんとした顔で俺を見つめる。
そんな臨也の元へ近付き、「あいつらと居た分あとで俺と付き合ってもらうからな」。
そう耳元で囁くと、臨也は「あ…」と小さく声を漏らし、頬を赤くした。
こんな顔にさせられるのは俺だけなのだから。










いつのまにか公私混同してしまっている静雄さんと、みんなに愛されちゃう臨也さんでした。静雄は女の子にモテてるといい。

まなかさんリクエストありがとうございました。
ご本人様に限り、リテイク・お持ち帰りOKです。

20110612
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